笠間日動美術館の分館に当たる春風萬里荘。
『美味しんぼ』の海原雄山のモデルでお馴染みの、
あの北大路魯山人が北鎌倉で実際に暮らしていた住居を移
ところで、そもそも疑問なのですが。
なぜ北大路魯山人の家が、笠間にあるのでしょうか?
そのきっかけとなったのは、日動画廊の初代社長で創業者の長谷川仁が、
洋画家の朝井閑右衛門と小説家の田村泰次郎とともに笠間を訪れた時のこと。
作家たちに、「笠間にアトリエを作って欲しい!」 とリクエストされたのだそうです。
それを受け、長谷川仁は笠間市と連携して、“芸術の村” を作ることを決意!
ちょうどそのタイミングで、魯山人の家が売りに出されたのを知り、
この建物を “芸術の村” の中心施設として購入し、移築させたのだそうです。
ちなみに、こうして誕生した“芸術の村” には、
現在でも、画家や彫刻家、陶芸家などのアトリエが点在しているとのこと。
住所も、「茨城県笠間市下市毛 芸術の村」 となっています。
さて、そんな春風萬里荘の目の前に広がっているのが、
四季折々の自然と透き通る湧き水を湛えた池が楽しめる広大な庭園です。
実は、つい先日、約2年に及ぶ庭園の改修工事が終わったばかり。
徹底的にバリアフリー化され、散策路も拡張されたそうです。
樹木も適度に伐採されたことで、
庭園のどこからでも春風萬里荘が見渡せるようになったとのこと。
また、庭園の至るところに、ベンチも設置されました。
こちらのベンチでは、飲食が可能とのこと。
しかも、持ち込みもOKだそうです!
笠間の市街地で名物の笠間いなり寿司や、
笠間名物の栗を使ったスイーツを買ってから、立ち寄るのも良いかもしれませんね。
さて、庭園をたっぷりと堪能した後は、
いよいよ春風萬里荘の中へお邪魔してみました。
内部は、基本的に魯山人が住んでいた当時のまま。
魯山人が愛用していた品や、魯山人の器などが展示されています。
さらに、棟方志功の版画や高橋是清の書など、
笠間日動美術館の所蔵品の一部も展示されていました。
また、春風萬里荘には、千利休の孫・千宗旦によって作られたという、
裏千家の名茶室 「又隠」 を手本に、魯山人自らが設計した茶室 「夢境庵」 も。
北鎌倉の地にあった際は、母屋と独立していたそうですが。
笠間に移築された際にドッキング。
母屋から茶室へ秒で移動できるようになっています。
なお、春風萬里荘の外観は完全に “和” ですが、
入り口を入って左手には、かつては馬屋だったという洋間スペースもありました。
自然石そのままを組み上げた暖炉に、
欅をランダムに敷きつめた床、手作り感満載の木製の椅子に。
これらは、すべて魯山人の手によるもの。
洋間の奥にあるステンドグラスも魯山人が制作したものなのだそうです。
さてさて、他にも春風萬里荘は見どころがいっぱい。
初めて訪れて発見したあれこれをまとめてご紹介したいと思います。
●京都気分が味わえた
春風萬里荘の裏側には・・・・・
なんと、京都の龍安寺を模した石庭があります。
しかも、こちらの縁側で、お抹茶を楽しむこともできます。
「そうだ 京都、行こう。」 と思い立ったものの、
実際に行くとなると、京都は、まぁまぁ遠いしなぁ。。。
そんな時には、「そうだ 笠間、行こう。」 です。
●魯山人は風呂場にもこだわっていた
こちらは、魯山人が実際に使用していたお風呂場。
使用されているタイルはすべて、魯山人が自作したものなのだとか。
青竹を模したという半筒型のタイルは、普通に販売して欲しいレベルでした。
ちなみに、トイレの 「アサガオ」 も魯山人が自作したのだそう。
3個も必要なのでしょうか・・・??
連れションする気満々だったのでしょうね。
●グッズ爆売れ?
春風萬里荘の一角には、お土産コーナーが。
魯山人の陶芸作品の写しが販売されていました。
さぞお高いのかと思いきや、5000円以下の価格帯のモノばかり。
「魯山人モデルで、この価格ならば!」 と財布の紐が緩みましたが・・・・・。
品切れが続出していました。
入荷するたびに、売れてしまうのか。
それとも、そもそもそんなに入荷していないのか。
どちらにせよ、レアなアイテムであることには違いありません。