三鷹市美術ギャラリーでは、今年2020年より、
5年間5回にわたって、収蔵作品展を開催するそうです。
その第1弾として開催されているのが、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
三鷹市美術ギャラリーが、もっとも多く作品を収蔵する、
現代美術家・靉嘔さんにスポットライトを当てた展覧会です。
靉嘔という字面を見て、
「文字化け??」 と思ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは、決して文字化けなんかではなく、
靉嘔 (あいおう) というのが、アーティスト名なのです。
ちなみに、本名は飯島孝雄さん。
今年89歳を迎えた茨城県出身のアーティストです。
なお、このヘンテコ・・・もとい、一風変わった名前は、
「あ・い・う・え・おの中で、好きなのはどれ?」
と彼が仲間たちに尋ねたところ、
『あ』 と 『い』 と 『お』 の3文字が人気上位だったことに由来するのだとか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ずいぶんと変な質問だな! (←カミナリ風)
あ行にどんだけ思い入れがあるんだよ。
てか、もし人気上位が 『あ』 の一択だったら、
『ああああ』 って、RPGで適当に入力された名前みたくなるとこだったな。
・・・そういえば、結局 『う』 も足されてるな! (←カミナリ風)
3文字を組み合わせるなら、『あおい』 だろ。
なんだかんだで一つだけ除け者にされた、『え』 の気持ちも考えろよ。
・・・・・と、それはさておき。
靉嘔さんと言えば、レインボー。
レインボーと言えば、靉嘔さん。
33歳の時に、レインボー作品を初めて発表して以来、
現在にいたるまで、一貫してレインボーをモチーフにした作品を発表しています。
今展で紹介されている作品も、ほぼすべてがレインボーでした。
ただ、レインボーと一口に言っても、
そのバリエーションは多種多様です。
抽象的な作品もあれば、
北斎の春画をモチーフにしたものも。
作品の大半はシルクスクリーンですが、
キャンバスにアクリル絵の具で描かれた大作もありました。
レインボー一筋、50年以上。
まだまだ新たなアイディアが溢れ出ているようです。
「レインボー作品、封鎖できません!」
そんな心の叫びが聞こえてくるようでした (←?)。
なお、日本美術をモチーフにした作品も多く制作しているようですが、
アンリ・ルソーの作品をレインボー化した作品も多く制作しているようです。
その中でも特に印象的だったのが、
《眠るジプシー女》 をモチーフにした作品です。
ライオンのたてがみがレインボー化。
さらに、ジプシー女の服や下に敷かれているマットもレインボー化しています。
「なんかポール・スミスみたいになってるじゃん!」
そう思って、本家の絵画を確認したところ、
元から、ポール・スミスみたいな感じだったのですね。
靉嘔さんは悪くありませんでした。
ちなみに。
こちらの展覧会は、なんと無料!
新型コロナウィルスの感染拡大で、
不安な今だからこそ観に行きたい展覧会といえましょう。
レインボーカラーに囲まれることで、元気になれること請け合い。
不安が一気に吹っ飛んでしまうことでしょう。
ただし、レインボーカラーに描かれた人を長々と眺めるのだけはご注意を。
サーモグラフィーカメラに映った人間みたいに見えてきます。
基本、全員体温高めな色合いなので、ちょっぴり不安になりました。