「絵とことば」 がテーマの大人も子どもも楽しめる美術館。
それが、PLAY! MUSUEM。
こけら落としの “tupera tuperaのかおてん.” に続き、
年明けより新たな企画展 “アーノルド・ローベル展” が開幕しました。
「・・・・・・・・・って、誰??」
そう思われた方も、少なくないかもしれません。
こちらの写真の人物が、展覧会の主役アーノルド・ローベルです。
「ますます誰?!」
尾木ママの若い頃?
『スマートモテリーマン講座』 のモデルになった人?
もし、彼の名前を聞いたことがなかったとしても、
アーノルド・ローベルが生み出したこの絵本は目にしたことがあるはず。
そう。『がまくんとかえるくん』 シリーズです。
今回の展覧会は、このシリーズ誕生50周年を記念して開催されたもの。
日本では初となるアーノルド・ローべル展です。
出展されているのは、彼の母国アメリカからやってきた貴重な原画や資料約200点。
そのうちの半分にあたる約100点が、
『がまくんとかえるくん』 シリーズに関するものです。
原画そのものも、もちろん興味深かったのですが。
個人的に印象に残ったのは、
段ボール製の不思議な形の展示ケースで紹介されていた・・・・・
ローベルと編集者さんとのやり取りです。
編集者さんの的確なアドバイスが、
『がまくんとかえるくん』 を、より良いものに変えていたのですね。
何よりも微笑ましかったのは、編集者さんがラフの原稿に、
「これ好き!」 とか 「かわいい!」 とか、いちいちメモを書き残していること。
ローベルと編集者のやり取りを観ているうちに、
段々とこの2人が、がまくんとかえるくんのように思えてきました。
ちなみに。
会場の一角には、こんなスペースも。
この中で上映されていたのは、
『がまくんとかえるくん』 の日常を描いたアニメーション作品です。
なんと、このアニメーションは、
『つみきのいえ』 でアカデミー賞を受賞した加藤久仁生さんが手掛けたもの。
しかも、この展覧会のために制作された描きおろし作品です。
おそらく世界初となる動く 『がまくんとかえるくん』 が見られます。
さてさて、54歳という若さで亡くなったローベルですが、
その生涯で世に送り出した絵本の数は、実に100冊以上です。
会場では、『がまくんとかえるくん』 以外にも、
ローベルが手掛けた絵本の原画の数々が展示されていました。
何よりも驚かされたのが、そのジャンルの多さです。
ほのぼの系だけでなく、シュール系や、
中には、ホラーチックなお話もありました。
しかも、話のテイストによって、絵の作風が全く違うのです。
とても同じ作家とは思えないほど。
かえるというより、カメレオン絵本作家です。
そして、さらに驚かされたのが、
『がまくんとかえるくん』 を含めて、
どの絵本もまったく古臭くないということ。
今読んでも新鮮なのです。
いや、むしろデジタル時代の今だからこそ、
この温かみやユーモアが、より新鮮に感じるのかもしれません。
不要不急の外出を控えなくてはいけない今。
かえるくんにならって、誰かに手紙を書いてみようかな。
そんなことを思わせられる展覧会でした。
ちなみに。
原画や資料も充実していましたが、
ショップでは、オリジナルグッズも充実しています。
どれも、ゲロかわです。