横浜市営地下鉄センター北駅のほど近くにある・・・・・
横浜市歴史博物館に行ってきました。
現在、こちらで開催されているのは、
“横浜の仏像―しられざるみほとけたち―” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
横浜市域に伝わる仏像にスポットを当てた初めての展覧会です。
横浜というと、開港後に発展したというイメージが強く、
ぶっちゃけ、「それ以前は何もないのでは?」 と思っていましたが。
会場には、飛鳥・奈良時代の仏像や、
定朝様の影響を受けたと考えられる平安時代の仏像、
慶派の影響が色濃く見える鎌倉時代の仏像など、
歴史の深い仏像が多数出品されていました。
横浜は開港以前には何もないという前言を撤回いたします。
横浜の皆様、申し訳ありませんでした。
横浜に伝わる仏像の数々を通じて、
横浜の歴史の深さを知ることができる展覧会でした。
ちなみに。
出展数は、全部で43点 (会期中一部展示替えあり)。
旧国宝で、現在は重要文化財指定の、
證菩提寺に伝わる 《阿弥陀三尊像のうち阿弥陀如来坐像》 や、
京都の清凉寺の釈迦如来像のスタイルを模した、
いわゆる “清凉寺式” の 《釈迦如来像》 (重要文化財) をはじめ、
寺外初公開の仏像も多数含まれています。
想像していた以上に、名品ぞろいでした。
しかも、体系立てて紹介されているため、
飛鳥時代から南北朝時代まで、仏像の歴史がちゃんと辿れるようにもなっています。
横浜の横浜による横浜のための仏像展では決してありません。
全仏像ファン必見の展覧会です!
ここ最近、仏像展を観ていなかったこともあり、
改めて、仏像の良さを実感することができました。
さてさて、ここからは個人的に気になった仏像をご紹介いたしましょう。
まずは、證菩提寺の 《薬師如来立像》 から。
キャプションによると、おそらく専門的な仏師の手によるものではないとのこと。
確かに、顔はおじさんみたいですし、
全体のバランスは、おかしな感じです。
有難みはなかったですが、親しみや温かみはありました。
親戚のおじさんみたいな感じです。
おじさんといえば、医王寺の 《薬師如来立像》 も。
顔が吉本興業副社長の藤原さんに似ていました。
この仏像が目に飛び込んできた瞬間、
『絶対に笑ってはいけないお寺24時』 でも始まるのかと思ったほど。
「松本アウトー」 って言ってそうです。
続いては、永勝寺の 《阿弥陀如来立像》 。
一見、何の変哲もない阿弥陀像ですが、
この像には、こんな言い伝えがあるそうです。
それは、馬に乗ってこの仏像の前を横切ったものが、たびたび落馬したというもの。
そんな呪い (?) を鎮めるべく、とある僧が、
この阿弥陀像の顔にお面をかけたところ、不思議と落馬は起きなくなったのだとか。
会場には、そのお面も併せて展示されていました。
いや、どんなお面だよ!
漫☆画太郎テイスト。
むしろこのお面をしてるほうが、馬が驚くような・・・。
最後に紹介したいのは、西方寺の 《十一面観音菩薩立像》 です。
丸顔で、とてもおだやかな表情を浮かべた仏像です。
吸い寄せられるようにお顔を眺め、
その流れで頭上に目をやったところ・・・・・・えっ?!
まさかののっぺらぼうパターン!
一瞬、頭にどんぐりを乗せているのかと思いました。