美術や音楽、メディア芸術といった各分野における新進芸術家を、
海外の関係機関などで実践的な研修をする機会を与える文化庁の制度。
それが、新進芸術家海外研修制度です。
その制度により過去に海外派遣された芸術家たちが、
研修生活で得た成果を発表する展覧会 “DOMANI・明日展”。
今年も無事に国立新美術館で開催される運びとなりました!
昨年は、ベテラン作家にスポットを当てた異色の回でしたが。
今回は原点に戻る形で、過去10年以内に、
海外で研修した7名の若手作家が紹介されています。
印象に残った作家は、ちらほらいますが、
まずは何と言っても、メインビジュアルにも選ばれている大田黒衣美さんです。
実は、こちらはガムを素材にした絵画 (ちぎり絵的な)。
しかも、キャンバスは、なんと猫の身体なのだそう。
猫が動かないように、ソーっとガムを乗せているのか。
はたまた、ガムを乗せられても、猫が気にならないようになったのか。
猫好きとしては、いろいろ妄想してしまいました。
また、絵画作品だけでなく、
ガムをモチーフにした立体作品も展示されていました。
こちらは、陶土でできたガムとのこと。
表面の線があるだけで、ちゃんとガムに見えてくるから不思議なものです。
ところで、何でガムの表面には、こんな線があるのでしょう??
作品とは直接関係ないですが、気になったので調べてみました。
その結果、表面に切れ目があることで、
表面積が多くなり、味付け材がたくさん付着させられるという事実が判明。
また、包装の銀紙が剥がれやすくなる効果もあるそうです。
一つ勉強になりました。
続いて印象的だったのは、利部志穂さん。
彼女は、ホームセンターで購入できるモノや、
生活のなかで不要となったモノ、廃棄物といった様々なモノを解体し、
それを組み合わせることで、インスタレーション作品を生み出すアーティストです。
派遣先にはイタリアのミラノを選んだそうで、
ステートメントでは、そのイタリアへの愛を熱く語っていました。
なので、作品も当然イタリア感があるのかと思いきや・・・・・
そうでもなかったです (笑)
どこがどうイタリア?
もしかしたら、ピサの斜塔か、
ドゥオーモをモチーフにしているのでしょうか??
ちなみに、その先端には・・・・・
スタバの紙袋が置かれていました。
そこは、せめてセガフレード・ザネッティではなかろうか。