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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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佐藤可士和展

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日本を代表するクリエイティブディレクター、

佐藤可士和さんの約30年を振り返る大規模展 “佐藤可士和展” に行ってきました。
会場となるのは、佐藤可士和さんとは深い関りがある国立新美術館です。

 

「国立新美術館」 VI計画 2006年

 

というのも、実は、このシンボルマークおよび、

ロゴタイプをデザインしたのが、佐藤可士和さん。

 

 

 

それだけに、展覧会会場の随所でも、

国立新美術館のロゴタイプが使用されていました。

 

さて、展覧会は全部で7つのセクションで構成されています。

なお、展覧会をキュレーションしたのは、佐藤さんご自身。

つまり、展覧会全体もまた佐藤可士和作品というわけです。

 

最初のセクションは、「THE SPACE WITHIN」

こちらでは、博報堂入社当時に制作した作品と、

小学5年生の時に作ったコラージュ作品が紹介されていました。

 

《宇宙》 1974年 色紙のコラージュ 48×50cm

 

 

何でも、佐藤さんは子どもの頃から、

マンガの表紙やロゴ、標識などのマークが好きだったのだとか。

しかも、それらの中に一つの宇宙を見ていたのだそうです。

やはり、才能がある人間というのは、

幼少期から一般人とは違うものなのですね。

 

続いてのセクションは、「ADVERTISING AND BEYOND」

こちらでは、ホンダのステップワゴンやキリンの極生など、

これまでに佐藤さんが手掛けた代表的な広告の数々が紹介されています。

 

 

 

佐藤さんの代表作の一つといえば、

あの国民的アイドルグループのCDの広告。

もしかしたら、某事務所の力で展示されていないかも、と少し不安だったのですが。

ありがたいことに、ちゃんと堂々と展示されていました。

 

 

 

懐かしい広告が見られた喜びと、

国立の美術館に普通にSMAPの関連グッズが展示されていた驚きと。

その2つが相まって、妙にジーンとくるものがありました。

 

ところで、佐藤さんの広告展開が画期的だったのは、

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった従来の広告展開に捉われなかったことにあります。

ビルボードや連貼りポスターなどの屋外広告から、

CDジャケット、飲料のパッケージ、道端で配るポケットティッシュまで。

人々の目に触れるもの=メディアと考え、

それらすべてを明快なデザインで統一したのです。

まだTwitterやInstagramがない時代。

バズるという概念を先取りしていたその先見性に、ただただ驚かされました。

 

 

続いてのセクションは、今展の目玉ともいうべき、「THE LOGO」

実は日頃よく目にしている楽天のロゴも、

ユニクロのロゴも、日清のロゴも、佐藤さんが制作したものです。

 

 

 

このセクションでは、佐藤さんが手掛けたロゴの数々を巨大化して展示。

 

 

 

まるで一つのインスタレーション空間のようになっていました。

なお、こちらの空間は写真撮影OK!

もちろん、SNS等に投稿してOK!

思わず写真を撮りたくなり、思わずネットで拡散したくなる光景。

気づけば、観客自身が企業広告に一役買っているという、

この展示自体に、佐藤可士和さんの凄みを感じました。

 

さて、展覧会はその後、

グラフィックデザインにフォーカスした 「THE POWER OF GRAPHIC DESIGN」

そして、佐藤さんのブランディング術に迫る 「ICONIC BRANDING PROJECTS」 と続きます。

セブンイレブンのPB商品すべてのブランディングも、

今治タオルのトータルブランディングも、佐藤さんが手掛けているのだそう。

しかし、それは佐藤さんに仕事のほんの一部にすぎません!

紹介されていた仕事量の多さに衝撃を受けました。

佐藤さんがいなくなったら、日本社会が機能しなくなるのではないか。

そんな危機感すら覚えました。

星星

 

 

なお、展覧会のラストを飾る 「LINES/FLOW」 では、

佐藤さん自身の代表的なアートワークである 《LINES》 と、

《LINES》 2020年 吹付塗装/ステンレススチール/アルミ樹脂複合板 180×240cm

 

 

《FLOW》 が向かい合う形で展示されています。

 《FLOW》 2020年 岩絵具/和紙 194×255cm

 

 

これはあくまで完全に個人の好みの話なのですが。

偶然性に委ねた 《FLOW》 シリーズよりも、

きっちり構成された 《LINES》 シリーズのほうに惹かれました。

改めて、佐藤さんのデザインセンスを実感させられたといいましょうか。

 

 

さてさて。

展覧会そのものも充実していましたが、

展覧会オリジナルグッズもまた充実しています。

特に圧巻だったのが、国立新美術館ver.の 「UT STORE」 です。

 

 

 

UT1枚あたり、1650円也。

展覧会の鑑賞料1700円を下回る価格設定ということもあり、

思わずディスプレイされていた27種類全部買い揃えたくなりました。

 

ちなみに。

UTと同じくらいに、種類が豊富だったのが・・・・・

 

 

 

楽天パンダグッズでした。

そういえば、途中の休憩コーナーにも、

大きな楽天パンダのフォトスポットがありましたっけ。

佐藤さんは、この展覧会を通じて、

楽天パンダを広めようとしているのかもしれません。

 

 

 ┃会期:2021年2月3日~5月10日
 ┃会場:国立新美術館
 ┃https://kashiwasato2020.com/

 ┃※チケットは事前予約制

 


~読者の皆様へのプレゼント~
“佐藤可士和展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、2月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 


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