~前回までのあらすじ~
日本全国にある国宝を、その目に焼き付けるために、日々奮闘し続ける国宝ハンター。
前々回に、 「次回は、250件目のスペシャル!」 と予告しておきながら、
実は、カウントミスで、すでに250件目を見てしまっていたことが前回に発覚。
結果として、嘘をついた形になってしまって、申し訳ありませんでした。
私のことは嫌いでも、国宝のことは嫌いにならないでください
2012年10月。
私事ですが、父方の祖母の七周忌のために、長崎県の五島列島に行ってきました。
隠れキリシタンの島として、重要文化財の教会は、いくつもありましたが。
五島列島に、国宝はありませんでした。
では、長崎の本土に国宝は、いくつあるのかと調べたところ・・・3件あることが判明!
しかも、五島列島から船で長崎本土に向かうと、
その長崎港ターミナルの周辺に、3件の国宝がまとまって存在しているとのこと!
これは、行くしかない!!
というわけで、五島列島から船で、長崎県の本土へ。
こちらが、船から見た長崎県。
この景色が夜になると、 “世界新三大夜景” の一つになるのですね!
しかし、国宝ハンター的には、三大夜景よりも国宝。
夜まで待たずに、長崎県の本土を散策です。
まず、やってきたのは、こちら↓
現存する日本最古の木造教会 《大浦天主堂》 です。
「長崎には坂が多い」 とは聞いていたので、
ある程度の予想はしていましたが、その予想を上回る坂の上に 《大浦天主堂》 はありました。
しかも、坂の上には、さらに急な階段。
おばあちゃん泣かせな 《大浦天主堂》 です!!
では、早速、中に入ってみましょう。
(ここからは、撮影禁止です)
これまでに、建築ツアー等で、いくつかの教会の中に入ったことがありますが。
さすがに唯一の国宝の教会だけあって、内部空間の素晴らしさは、トップクラス。
丹下健三設計の東京カテドラル聖マリア大聖堂で感じたのと同じくらい敬虔な気持になりました。
いやぁ、本当に来て良かったです!
こんな無駄に可愛らしいベンチと、
コナンの謎のイベントさえ無ければ、もっと良かったです (笑)
《大浦天主堂》 を観た後は、
長崎県美術館や中華街、思案橋など、長崎ぶらぶらと歩き回りつつ、崇福寺へ。
こちらは、1629年に長崎の華僑の人々によって創建された寺院だそうで。
中国様式の寺院としては日本最古のものなのだとか。
一見すると、単なるトンデモ建築にしか見えない、こちらの寺院ですが (←失礼!)
なんと、この寺院の中には、2つの国宝があるのです!
一つは、この三門をくぐった先にある・・・
門。
門の先に、また門!
この門こそが、国宝の 《崇福寺第一峰門》 です。
2つ目にある門なのに、 崇福寺第一峰門とは、これいかに。
とりあえず、こちらの門の特徴は、複雑すぎる軒裏。
複雑すぎる軒裏とは対照的に、
描かれている装飾は、ヘタウマというか雑というか・・・ (笑)
ちなみに、門の裏には・・・
妙に可愛いコウモリの姿が♪
しかし、なんでまた、門にコウモリが?
浦澤直樹の 『BILLY BAT』 ??
さて、 《崇福寺第一峰門》 をくぐれば、国宝の 《崇福寺大雄宝殿》 がお目見えです。
特徴的なのは、なんと言っても、逆さに設置された擬宝珠。
これをギョーカイ用語 (?) で、 “宝珠付き垂花柱” というのだそうです。
おそらく、覚えたところで、ここ以外では使わない言葉でしょうけれども (笑)
せっかくの国宝の建築なのに、
狭い敷地にいろいろと作ってしまったため、サイドの建築との距離が近すぎる 《崇福寺大雄宝殿》
結果として・・・
隣の建物と雨どいを共有することになっちゃっています (笑)
こんなにも肩身の狭い国宝建築は、初めて観ました。
というわけで、長崎にある3つの国宝をすべてハンティング。
これにて、長崎完全制覇です!
今現在の国宝ハンティング数 254/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中
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第三十六話 国宝ハンター、ぶらぶらする!
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