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大清帝国展 完全版

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最近8年ぶりに新作映画が公開され、

ついに 『シン・エヴァンゲリオン』 シリーズが完結しましたが。

東洋文庫ミュージアムでも、現在、

“シン” シリーズの完結編となる展覧会が開催されています。

それが、“大清帝国展 完全版” です。

 

 

 

こちらは、シンはシンでも、

中国の清王朝にスポットを当てた展覧会です。

昨年初頭に開催された “大清帝国展” では、

清王朝の成立から、アヘン戦争終結までが紹介されていました。

果たして、アヘン戦争以降、清はどうなったのか?

今回の展覧会では、そのあたりも余すことなく紹介されています。

 

ただの続編ではなく、完全版。

それゆえ、清王朝全盛期の名品ももちろん展示されていました。

こちらは、前回も展示されていた皇帝から賜る世界一豪華な (?) 辞令書 《誥命》

 

 

 

文面をよく見てみると、漢字の他に、

アラビア文字を縦書きにしたような見慣れぬ文字があります。

 

 

 

これは満州語の満州文字。

清の皇帝は中国語だけでなく、

満州語もマスターしていたのだそう。

文武両道でないと皇帝は務まらなかったようです。

 

 

また、教科書でお馴染みの一枚、

エドワード・ダンカンが描いた 《アヘン戦争図》 も展示されています。

 

 

 

今回は完全版とあるだけに、その隣には、

同じくダンカンによるモノクロ版も展示されていました。

 

 

 

2枚を見比べてみると、モノクロ版のほうには、

右側に煙を吹きだしている小さな小舟が描かれています。

なぜカラー版には描かれていないのでしょう?

それには、こんな説があるのだとか。

この絵は、イギリスの軍艦ネメシス号 (画面右奥に描かれています) が、

中国のジャンク船を砲撃し、それが命中した場面を描いたものです。

しかし、モノクロ版のほうだと、小舟が砲撃しているようにも見えてしまうとのこと。

確かに!

ダンカンバカ野郎。

 

 

さてさて、アヘン戦争がきっかけで、

清王朝が滅亡したかと言えば、実はそうでもないのだそう。

南京条約を結んだとはいえ、王朝としてはそんなに危機感はなかったのだとか。

危機感を覚えるのは、そのあとに勃発したアロー戦争において。

 

 

 

イギリスとフランスの連合軍に負け、北京条約を締結したことで、

清の国内に、多くの外国人が流入してくることになったのだそうです。

それがきっかけとなり、やがては太平天国の乱や義和団事件が起きることに。

アロー戦争。太平天国の乱。義和団事件。

それらは、世界史の授業で漠然と覚えたに過ぎなかった単語でしたが、

今回の展覧会を通じて、その繋がりや、大まかな流れを知ることができました。

隣国である中国がどんな国なのかを知る良い機会でした。

星星

 

 

そうそう。

中国がどんな国かわかったといえば、こんな展示品も。

 

 

 

こちらは、中国のとある出版社が作った地図です。

その名も、中華国恥地図。

 

 

 

地図上のいたるところに、赤い文字があります。

実はこれは、条約で国境が定められたことや、

他国に土地を割譲したこと、外国人に居住を許したことなど、

中国としては赤っ恥な出来事を詳細に説明したものなのだとか。

いわば、黒歴史地図。

この地図は中国ではわりとポピュラーなのだそうで、

子どもの時から、この地図を見て育っているのだそうです。

・・・・・・・・怖っ。

 

 

さてさて、ここからは他に印象的だった展示品をいくつかご紹介いたしましょう。

まずは、《慈禧皇太后冊宝》

 

 

 

清末期最大の権力者、西太后。

西太后というのは通称で、最終的な名は、

「孝欽慈禧端佑康頤昭豫荘誠寿恭欽献崇熙配天興聖顕皇后」 と、

ピカソもビックリな長~いものだったのだとか。

こちらはその最終的な名前を刻んだ玉を拓本したもの。

もし、中国にあれば、国宝級の逸品だそうですよ。

 

ちなみに。

悪女のイメージが強い西太后ですが、

文化人としての素養はトップクラスだったそう。

彼女が描いた 《寿字》 も展示されていました。

 

 

 

さまざまな植物で描かれた 『寿』 の一字。

アルチンボルド並みの才能の持ち主です。

 

 

最後に紹介したいのは、《点石斎画報》

とある新聞に掲載された挿絵だけを、

のちにまとめて出版したものだそうです。

 

 

 

右に描かれているのは、アメリカには巨大なビルがあり、

そこには、エレベーターなるものがあることを伝えた挿絵。

想像だけで描かれているので、

いろいろおかしなことになっていました。

というか、一つも正解していない気が (笑)

 

また、こんな仰天ニュースも。

 

 

 

韓国で、足が生えた魚が発見されたとのこと。

そして、それを食べたところ、

お腹を壊してしまったたというニュースでした。

なぜ、こんな気味の悪いものを食べたし!

 

 

 


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