ハウステンボス内のポルセレインミュージアムが、
想像していた以上に面白い美術館だったため、すっかり当初の目的を失念していましたがf^^:
ハウステンボスまで足を運んだ真の目的は、こちら↓
「全52作品中、日本初公開なんと36点」 にして、
「自画像8点を一挙公開」 にして、
さらには、 「弟テオの肖像画を初公開!」 というトリプル日本初なゴッホ展。
その名も、 “幻のゴッホ展” を観るために、ハウステンボスへとやってきたのでした。
この美術展のポスターは、都内で何度か目にしていたのですが。
そのたびに、
「長崎は、遠いよなァ・・・」
「この美術展のために、ハウステンボスまでは足を運べないよなァ・・・」
と、諦めていました。
(東京で告知するなよ!)
まさに、僕にとっては、幻の “幻のゴッホ展” 。
ところが、ひょんなことから、長崎に行くことになって、
そして、時間的にも、ハウステンボスまで足を運べることになって。
まさか、この美術展を観る機会が巡ってくるだなんて、こんな展開を誰が予想していたでしょうか。
このタイミングで、七周忌を迎えてくれた天国のおばあちゃんには、感謝の気持ちでいっぱいです (←?)
さてさて、会場となるのは、ハウステンボス内にあるハウステンボス美術館。
オランダのベアトリクス女王陛下の住んでいる宮殿の外観を、
オランダ王室の特別の許可のもと、忠実に再現したパレスハウステンボス内にある美術館です。
外観の立派さに関しては、世界の名だたる宮殿美術館と肩を並べられるのではないでしょうか。
しかし、内部に関しては・・・(苦笑)
普通のホワイトキューブの美術館よりは雰囲気はありましたが、
東京都庭園美術館と比べてしまうと、 “まぁ、再現しただけ” な感が否めません。
ただ、美術館の内装は、ともかくも。
開館20周年記念として、東京や大阪などの大都市に巡回しない大規模なゴッホ展を開催するのは、とても立派。
2年前に東京で開催されたゴッホ展にも出展された 《グレーのフェルト帽の自画像》 をはじめ、
日本初公開となる 《自画像》 や、
同じく日本初となる 《肉屋の眺め》 など、
オランダのゴッホ美術館が誇る名画の数々を、
日本で一番オランダっぽい (?) ハウステンボスで堪能できるのは、至福の時間。
この感動は、ハウステンボスまで足を運ぶという苦難を経た人間にしか味わえません(笑)
もちろん美術展としても、興味深い内容になっていました。
ただ単に、ゴッホ美術館から借りたゴッホの作品を並べるのではなく、
「どのように描き始めたのか?」 や 「どんな色だったのか?」 のような質問形式のキャプションを用いて、
ゴッホの作品の秘密に迫るスタイルの美術展でした。
それゆえ、美術作品を観ているというよりも、
ゴッホの解説書を読んでいる感じに近かった気がします。
(↑これに関しては、賛否分かれるでしょうが。僕は、アリだったかなと思います)
そういうわけで、今回のゴッホ展では、
さまざまなゴッホ美術館の研究成果も併せて、展示されていたのですが。
その中でも、一番の発見が、こちらの絵に関して↓
これまで、ゴッホの自画像と思われていたそうなのですが。
20年にも及ぶ研究の末に、耳の形や、顎鬚の色から、
ゴッホではなく、弟のテオの肖像画であることが判明!
タイトルも、 《テオ・ファン・ゴッホの肖像》 に変更になったのだそうです。
ゴッホと思われていた絵が、そうではなく弟の絵だった…という事実も驚きですが。
正直なところ、その事実に辿り着くまでに、20年も要したということに驚きました (笑)
また、2年前に東京で開催されたゴッホ展では、
《ヒバリのいる麦畑》 というタイトルで紹介されていた絵が・・・。
研究の末、飛んでいるのが、ヒバリではなく、ヤマウズラであることが判明!
タイトルも、 《ヤマウズラの飛び立つ風景》 に変更されていました。
「・・・いや、そう言われても、ヒバリもヤマウズラも、どんな鳥かわからないし」
という僕のような人間のために、
会場には、ちゃんとオランダの博物館より借りてきたヒバリとヤマウズラの剥製も展示されていました。
2種の鳥の剥製を見比べてみると、全く似通っていない鳥であることがわかります。
ただ、その剥製の鳥と、描かれている鳥を比べても、
鳥素人である僕には、どっちの鳥なのだか、全く分からず。。。 (笑)
こういう細かいことを研究している人がいて、
美術の世界は成り立っているのだなぁ・・・と、作品とは別のところに感銘を受けました。
最後に、今回のゴッホ展で、個人的に印象深かった作品を、いくつかご紹介。
まずは、 《仰向けになった蟹》
どのようにして、蟹を仰向けにした状態で描こうと思い至ったのか、気になるところです。
仰向けにさせられた蟹が不憫でならない。
続いて、 《積み上げられたフランス小説》
色彩的には、あまりゴッホっぽくない一枚。
ただ、本の積み方の乱雑さに、ゴッホの性格が出ているような気がしました。
ラストは、ゴッホの代名詞であるヒマワリを描いた一枚。
日本初公開の作品と聞いて、期待していたのですが・・・。
「枯れてるのかよ!!」
思わず、三村風にツッコんでしまいました。
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幻のゴッホ展
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