丸ノ内線茗荷谷駅のほど近くに、文京区の公式HP曰く、
“ヨーロッパの開放的な都市広場をイメージした、石張り舗装の広場” があります。
その名は、カイザースラウテルン広場。
カイザースラウテルンとは、文京区と姉妹都市提携を結んだドイツの都市。
カイザースラウテルン広場には、その提携のシンボルとして、
同市出身の彫刻家ゲルノト&バルバラ・ルンプフ夫妻によって、
制作された奇妙な作品の数々が設置されています。
・・・・・・・これのどこがヨーロッパの開放的な都市広場やねん。
ゲルノト&バルバラ・ルンプフ夫妻は、
とにかくいちいちセンスがぶっ飛んでいます。
例えば、こちらはアンモナイトをモチーフにした作品。
大きな巻貝であるアンモナイトは、「日本文化の源」 や、
「地球が発展してきた歴史の期限」 を象徴しているのだとか。
ちなみに、無数の歯車は、「日本のテクノロジー」 を、
赤い矢印は、「その急速な発展」 をも表しているのだそうです。
急速な発展だから、矢印って!
何の捻りもないド直球の表現に、
かえって、すがすがしさすら感じられました。
広場の顔ともいうべきは、ユニコーンをモチーフにした作品。
横から見ると、こんな感じですが。
正面に回ると、何やら通路のようなスペースが見て取れます。
ただ、だいぶ狭いので、
子どもでないと通り抜けるのは難しいかと。
実際、このユニコーンは、子どもたちの遊び場となっているのでしょう。
こんな注意書きの看板がありました。
「ユニコーンの頭の上に登らないで下さい」
なんともファンタジー感溢れる注意書きです。
字面だけ見ると、異世界に転生した気分を味わえます。
さてさて、アンモナイトもユニコーンも、
だいぶパンチが効いたビジュアルをしていますが。
僕がもっともインパクトを受けたのは、こちらの作品です。
続・無料で観れる 美術百選 009
ゲルノト&バルバラ・ルンプフ 《魚》
「きっしょい魚~!」
思わず、おいでやす小田ばりの全力ツッコミが飛び出してしまいました。
その顔は、なぜか荒俣宏さんにちょっとだけ似ています。
一体何をモチーフにしたのか。
というか、ルンプフ夫妻はどういう想いで、この作品を作ったのか。
広場の一角に立てられた案内板には、こう記されていました。
「日本人に親しみのある鯉のイメージを重ねている。」
日本人に親しみのある魚が鯉なのかどうかは、この際置いておきまして。
あまりにもオリジナリティが加わりすぎて、
鯉の原型をとどめていないため、親しみの湧きようがありません。
ちなみに。
魚の頭上にある人の顔は、
カイザースラウテルン市の発展に尽力したフリードリッヒI世とのこと。
百歩譲って、文京区長の顔でなくて、まだ良かったです。
<無料で観れる美術 データ>
カイザースラウテルン広場
住所:東京都文京区大塚3-1-11
アクセス:○東京メトロ 「茗荷谷駅」 より徒歩2分