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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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続・無料で観れる 美術百選 《キヨセケヤキロードギャラリーその2(東京都清瀬市)》

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清瀬駅のほど近くにあるキヨセケヤキロードギャラリー。

なんでもないようなロードに見えて、

実は国内外の彫刻家の作品が立ち並ぶ、ギャラリーのようなロードです。

 

 

 

そんなキヨセケヤキロードギャラリーには、

前回取り上げた作品以外にも、紹介したいものが多々あります。

 

 

 

例えば、井上武吉の 《my sky hole 91-8》 という作品。

井上武吉の 《my sky hole》 シリーズは、

かつて “新・無料で観れる 美術百選” でも取り上げましたが。

 

 

 

銀色の球体に穴が開けられた作品シリーズです。

しかし、キヨセケヤキロードギャラリーに設置された 《my sky hole 91-8》 は・・・・・

 

 

 

球体の側だけ (?) という想定外の姿をしていました。

他のシリーズ作品と同様に、

その表面にskyは映し出されていましたが、

holeは、一体どこにあるのでしょうか??

・・・・・・いや、待てよ。

そもそも、穴とは何なのでしょうか??

穴について、穴が開くほど考えさせられました。

 

 

続いて紹介したいのは、城田孝一郎さんの 《花のころ》

 

 

 

ハマコーみたいな顔をした女性が、おずおずと左手をあげています。

どんなシチュエーションなのでしょうか。

先生には指されたくない。

でも、手を挙げてないと、

あとでお母さんに何か言われるかもしれない。

そんな授業参観の一場面にも見えます。

もしくは、会議室での一コマとか。

「何だなんだ。どれも似たり寄ったりのアイディアじゃないか。

 他に何か画期的なアイディアはないのか?まったく。

 ・・・・・ん?花野君が手をあげるなんて珍しいな。何かね?」

「あ、え、あの・・・トイレに行ってきてもいいですか?」 

職場での一コマという可能性もありますね。

「今から俺コンビニ行ってきます。ついでに買ってくるもんあります?

 えーと、課長はコーヒーでいいですよね。

 山下さんは?スイーツ?森さんは・・・カップラーメン?了解っす。

 ・・・・・・ん、花野さんも何か?」

「あ、はい。あの、ピルクルをお願いします」

いろいろ想像が掻き立てられて、

大喜利のお題にピッタリな作品です (←?)。

 

 

逆に、あれにしか見えないという作品も。

佐藤忠良の 《亜古》 という作品です。

 

 

 

 

完全なる 「I'm a perfect human」 です。

もしくは、「まーきのっ!」。

それ以上でもそれ以下でもありません。

 

 

さてさて、最後に紹介したいのは、

現在、回顧展が巡回中の柳原義達の作品です。

 

 

 

 

続・無料で観れる 美術百選 011

柳原義達 《道標・鳩》

 

 

柳原義達は、日本を代表する彫刻家の一人。

ロダンやブールデルの影響を受けつつも、

ゴツゴツとした質感の独自のスタイルを確立した彫刻家です。

カラスやハトがお好きだったそうで、

やたらと (?) カラスやハトをモチーフにした作品を作っています。

街中でゴツゴツしたカラスや、

ハトのブロンズ像を目にしたなら、ほぼ柳原義達の作品確定です。

 

 

 

ちなみに。

柳原義達が狙ったわけではないでしょうが、

僕が訪れた時には、たまたま作品の上に・・・・・

 

 

 

ハトの糞がありました。

ハトがこの作品の上を通った。

まさにこの糞が、その道標です。

 

 

ところで。

これほど多彩な彫刻作品が設置されているにも関わらず。

ほとんど誰にも知られていないキヨセケヤキロードギャラリー。

今回初めて現地を訪れてみて、その理由がわかった気がします。

それはおそらく、キヨセケヤキロードギャラリーの長さにあるのでしょう。

ちょうど1㎞くらい。

片道を観て、折り返して、また片道を観て。

結果2㎞歩くことになります。

二度とは戻れないロードでした。

 

 

 

 

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