日動画廊を創立した長谷川夫妻創設した笠間日動美術館では、現在、
日動画廊と関りの深い画家の一人、鴨居玲の人物像に迫る展覧会が開催されています。
その名も、“鴨居玲展-Camoyの生きざま-” です。
会場では、笠間日動美術館が所蔵する作品を中心に、
鴨居玲の交友関係を示す資料や愛用品などのアイテムも紹介されています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
珍しいところでは、鴨居玲の初期作品も紹介されていました。
こちらは、洋画家の宮本三郎に師事していた頃の作品とのこと。
確かに、宮本三郎の影響をもろに受けているのが見て取れます。
それから、こちらはシュルレアリスムっぽい作風だった頃の作品です。
これはこれで目を惹くものがありますが、
良くも悪くも、鴨居玲らしさは一切感じられません。
また、今回が初公開となる未完の作品も数点紹介されていました。
先ほど紹介した初期の作品とは違って、
鴨居玲の世界感が確立された後に描かれたものであるため、
未完ではあっても、ちゃんと鴨居玲の作品とわかるのが、鴨居玲のスゴいところです。
ちなみに、未完の作品の中のは、こんな作品もありました。
背景が完全に竈門炭治郎の羽織の柄。
手前の2人が、何かしらの鬼に見えてきました。
鴨居ファンの自分としては、
貴重な鴨居玲作品が観られたのも嬉しかったですが。
鴨居玲が実際に着用していた服が観られたのも、嬉しかったです。
絵画作品ももちろんワールド全開ですが、
ファッションセンスも、鴨居玲ワールドが全開。
こんな柄のジャケットを着こなせるなんて、さすがは鴨居玲です。
画集を刊行したレセプションでは、スカイブルーのスーツ姿を披露。
こんな鮮やかなブルーを着こなせるのは、
鴨居玲かウルトラクイズの福留さんくらいなものです。
ちなみに。
もっともファッションが過ぎていたのがこちらの写真。
・・・・・・・・・・・・・・・どういう状況なのでしょう??
しばらく眺めていたら、『ターミネーター』 の1シーンのように思えてきました。
初期の鴨居玲作品以上に、シュールな光景です。
作品だけでなく、資料や写真など、
鴨居玲の素顔の一面が多く紹介されていたことで、
タイトル通り、鴨居玲の生きざまが垣間見れました。
この展覧会をきっかけに、鴨居玲のファンはよりファンに、
特にファンでもなかった人は、新たなファンになることでしょう。
鴨居玲の沼にハマる展覧会です。
なお、展覧会では他にも 《私の話を聞いてくれ》 を筆頭に、
代表作の数々も展示されていましたが。
それらを差し置いてい、個人的に一番印象に残ったのは、
生前の鴨居玲と深い交流のあった日動画廊の長谷川徳七社長を描いたこの一枚。
なぜか画風がちょっと漫☆画太郎風です。