今年2021年は町田市民文学館ことばらんどが開館して15年目という節目の年。
さらに、伝説のバンドZARDが結成されて30周年目というメモリアルイヤーでもあります。
それを記念して、現在、町田市民文学館ことばらんどでは、
“ZARD 坂井泉水 心に響くことば” とい展覧会が開催されています。
『揺れる想い』 や 『マイ フレンド』、『運命のルーレット廻して』 といった、
数々のヒット曲を世に送り出したZARD/坂井泉水を紹介する展覧会です。
と、これまでにも百貨店の催事場などでは、
ZARDの展覧会は開催されたことはあったそうですが。
ミュージアムでの展覧会は、今回が初めてとのこと。
しかも、文学館での展覧会ということで、
ZARD/坂井泉水の詞 (=ことば) に着目した初めての展覧会です。
展覧会の前半では、ZARDの特徴的な歌詞が、
その時代に起きた印象的なトピックと併せて紹介されています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
会場内の壁で大きく紹介されていた歌詞を目にした瞬間に、
脳内で坂井さんの歌声で再生され、とても懐かしい気持ちになりました。
くわえて、その時代の代表的なトピックを目にして、
まるで、その当時にタイムスリップしたような気持ちに!
いかに自分がZARDの歌を聴いて育ってきたのか。
改めて、その事実を実感させられました。
なお、脳内でZARDの歌が再生されない方も (←?)、どうぞご心配なく。
展示室内では、スマホアプリを使用して、
ZARDの楽曲を楽しめるようになっています。
こちらを利用されたい方は、イヤホンをご持参のうえ、
事前に 「COCOAR」 というアプリをダウンロードすることを、お忘れなきように。
さてさて、展覧会の後半では、
坂井泉水の歌詞の世界がさらに深掘りされていました。
坂井さん本人がインスパイアされたと公言する石川啄木の短歌や、
ご本人が所蔵していた書籍と併せて、ZARDの歌詞の世界が紹介されています。
正直なところ、ZARDの歌詞は、スピッツや椎名林檎、
最近では、あいみょんや米津玄師の歌詞と比べてしまうと、
シンプルであるがゆえ、なんとなく文学的ではないような印象があったのですが。
改めて短歌の関連性を指摘されてみると、ただシンプルなのではなく、
極限までそぎ落としたシンプルな言葉であることを痛感させられました。
だからこそ、心に強く、しかも時代を超えて響くのでしょうね。
また、こちらのコーナーには・・・・・
ZARDの代表曲中の代表曲、
『負けないで』 の直筆原稿も展示されています。
阪神大震災や東日本大震災、最近ではコロナ禍と、
日本に未曽有の災害が起こるたびに、国民を勇気づけてきたあの歌の貴重な直筆原稿です。
日本人なら是非観ておきたい逸品。
見逃さないで。
なお、展覧会のラストで紹介されていたのは・・・・・
坂井さんがスタジオで音を確認するために、
実際に使用していたという赤いトイピアノです。
こちらは、ZARDファンにはお馴染みのアイテムだそうで、
坂井さんは “Baby Grand” と名付け、愛用していたとのこと。
『My Baby Grand~ぬくもりが欲しくて~』 という曲のタイトルにも使われているそうです。
その背後には、まるで 《真珠の耳飾りの少女》 のように、
振り向きながらこちらを見つめる神々しい姿の坂井さんの写真と、
「皆さんとのつながりを信じてます」 という坂井さんのことばが紹介されていました。
この光景をしばらく見つめていたら、不思議と、
坂井さんがまだどこかで生きていらっしゃるような、
そして、今でも新たなことばを生み出しているような、気がしてきました。
ちなみに。
展覧会では、ZARDファンならば、
絶対にチャレンジするべきコーナーも用意されています。
それは、ZARD検定。
展覧会を担当した文学館の学芸員さんによって制作されたそうです。
ZARDの事務所の方でも即答できなかったものがあったという超難問揃い!
真のZARDなら “Don't you see!” ですよ。