現在、三菱地所が運営する三菱一号館美術館では、
“三菱創業150周年記念 三菱の至宝展” が開催されています。
こちらは、昨年めでたく三菱が創業150年を迎えたことを記念して開催されるもので、
初代・岩崎彌太郎から4代・小彌太まで、4人の社長が収集した文化財を紹介する展覧会です。
国宝や重要文化財を多数含むそれらの文化財は、
普段は、静嘉堂や東洋文庫に所蔵されていますが。
創業150年のメモリアルイヤーを祝して、
一級品の文化財が三菱一号館美術館に大集結！
（注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。）
静嘉堂と東洋文庫が誇る貴重な文化財が、
ジョサイア・コンドルが設計した三菱一号館美術館の空間で観られる。
またとない贅沢な機会となっています。
日本を代表する企業、三菱のスゴさを実感できる展覧会です。
さてさて、展覧会の見どころは何と言っても、
三菱ゆかりの静嘉堂、東洋文庫の国宝12点すべてが出展されること。（注：前後期で展示替えあり）
司馬遷によって編纂された中国最古の通史 『史記』 も、
国宝 『史記 夏本紀』 平安時代（12世紀） （公財）東洋文庫蔵 【会期中巻替えあり】
日本の水墨画に大きな影響を与えた馬遠の作と伝わる貴重な 《風雨山水図》 も、
国宝 伝馬遠 《風雨山水図》 南宋時代（13世紀） （公財）静嘉堂蔵
【注：展示は6月30日から8月9日まで】
大和の刀工・包永 （かねなが） の代表作と名高い 《太刀 銘 包永》 も、
国宝 手掻包永 《太刀 銘 包永》 鎌倉時代(13世紀) （公財）静嘉堂蔵
【注：展示は6月30日から8月9日まで】
当然のように出展されています。
三菱創業家ゆかりの国宝と言えば、もちろんあの国宝も！
国宝 《曜変天目（稲葉天目）》 建窯 南宋時代（12-13世紀） （公財）静嘉堂蔵
そう、《曜変天目（稲葉天目）》 です。
《曜変天目（稲葉天目）》 に関しては、
やはり数ある国宝の中でも別格なのでしょう。
他のモノには邪魔されないよう （←？）、
1フロアに1点だけ、贅沢に展示されていました。
さらに、《曜変天目（稲葉天目）》 に至るまでのアプローチも特別仕様に。
静嘉堂で展示されていた際も、
十分に宇宙を感じることができましたが。
今展では、3割増しで宇宙を感じることができました。
さてさて、国宝や重要文化財以外にも、
見逃せない作品が展覧会に多々出品されています。
例えば、こちらの 『イエズス会士書簡集』。
フランスのイエズス会士の書簡による報告をまとめたものだそうです。
それにしては、妙に豪華でオシャレな装丁だなァ、と思ったら、
なんとマリー・アントワネットが所有していたものと考えられるのだとか。
そんな貴重なものが、日本にあったとは。
しかも、東洋文庫に所蔵されていたとは驚きです。
ちなみに。
個人的に一番印象に残っているのは、
原撫松によって描かれた 《岩崎彌之助像》 です。
なんかバランスが悪いような・・・・・。
顔と手の大きさに比べて、
身体がほっそりしているといいましょうか。
画面に対して一回り小さめといいましょうか。
観れば観るほど、顔嵌めパネルっぽく感じられてきました。
また、印象的だったといえば、
漳州窯の 《五彩一猿双鹿文盤》 も。
何より気になったのが、猿のポージングです。
妙にノリノリ。
オープニング曲でのサザエさんくらいにノリノリです。
それからもう一つおまけに印象的だったのが、
写真撮影スポットに設置されていた巨大な 《おかめの面》。
この面は、彌太郎が明治の初め頃に、
店頭に掲げていたとされるものなのだそう。
なんでも社員が和やかな態度で接客するための指針として掲げられていたのだとか。
大きなお世話であるのは重々承知ですが、
だったら、もっと笑顔のほうがよいのでは？
おかめ納豆のおかめくらいに。
笑みが弱すぎて、愛想笑い感が醸し出されています。
何はともあれ。
全体的に、三菱のスゴさが感じられる展覧会でした。
┃会期：6月30日（水）～9月12日（日）
┃会場：三菱一号館美術館
┃https://mimt.jp/kokuhou12
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