現在、森アーツセンターギャラリーでは、
“KAWS TOKYO FIRST” という展覧会が開催中。
今最も人気の高いアーティストの一人、KAWSの国内初となる大型展覧会です。
もし、KAWSの名前を知らずとも、彼が生み出した、
両目が 「✕✕」 のキャラクターは一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
彼はこのスタイルを徹底し、スヌー●ーやシンプ●ンズなど、
さまざまな人気キャラクターの目を 「✕✕」 に変え、自身の作品として発表しています。
ちなみに、本名はブライアン・ドネリー。
1974年アメリカ生まれで、若き日は、
ディズニーのアニメーターとして働いていたことも。
90年代前半に、バス停の看板や街中の屋外広告に、
自身のキャラクターを上書きするゲリラ的なアート活動をはじめ、
グラフィティアーティストとして注目を集めるようになります。
その後、さまざまな企業とコラボするなど、
活動の幅を大きく広げ、人気も評価もうなぎ上りに。
ここ10年で、作品の価格が100倍になったとかならないとか。
ちなみに、日本との関わりも深く。
KAWS本人曰く、「90年代半ばに初めて日本を訪れて以来、
これまでに、もうかれこれ40~50回は来日している」 とのこと。
“KAWS TOKYO FIRST” という展覧会名も、
緑をシンボルカラーとするあの政党とは全く関係なく。
KAWSにとって特に思い入れがあるという、
2001年に渋谷パルコで開催された日本初の個展名から取られているそうです。
さてさて、会場には、そんなKAWSの作品が、
新作も含め、実に150点以上も展示されています。
一体、総額何億円なのでしょう??
平面作品もあれば、立体作品も。
商業用に作られたコマーシャルアートもあれば、
1点ものとして制作されたファインアートもあります。
作品に描かれた顔はすべて同じ印象を受けるかもしれませんが、
アーティストとしてのKAWSは、実は多様な顔を持っているのです。
また、絵柄があまりにもポップなので、
さらっと見飛ばされてしまいがちですが。
実は、これらの平面作品は、
パソコンソフトで描いたものをプリントしたわけではなく、
ちゃんと筆とアクリル絵の具を使って描かれているのです。
あえて筆跡がわからないように、丹念に仕上げられた作品。
絵画だと理解した上で近づいてマジマジと観ても、筆跡はまったく分かりません。
思わず目が 「✕✕」 になってしまうほどの超絶技巧!
KAWSが世界的に評価されるのも納得です。
なお、KAWSの作品の中には、ポップな見た目とは裏腹に、
よくよく見てみると、暴力性のようなものを感じる作品もありますが。
これらは、決して暴力をテーマにしているのではなく、
「疲れ切って打ちのめされた状態のあらゆる物事が抱える苦悩」 を表現しているのだとか。
なるほど。だから、目がバッテンになっているのですね。
ちなみに。
展覧会はKAWSの作品以外にも、
KAWSのスタジオを再現した一角や、
(壁に飾ってある絵画はKAWSの本物のプライベートコレクションです)
自身がKAWSのキャラクターになれる体験ブースなど、
KAWSワールドが楽しめるコーナーが用意されています。
もちろんKAWSのグッズコーナーも。
Tシャツやキーホルダー、フィギュア、
ポーターとのコラボアイテムなどなど、
気になるオリジナルグッズは多々ありましたが。
何といっても、一番気になったのは、
東京銘菓ひよ子のKAWSモデルです。
「これは欲しい!」 と思って、
お値段を見たら、なんと2160円でした。
普通のひよ子の倍のお値段!
ということで、買うのは断念。。。
再び目が 「✕✕」 になりました。
┃会期:7月16日(金)~10月11日(月)
┃会場:森アーツセンターギャラリー