先日、久しぶりに銀座の街を歩いていたら、
メゾンエルメスのビルが、なんとなくパルコみたいな感じになっていました。
実はこれは、現在銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の展覧会、
“ル・パルクの色 遊びと企て:ジュリオ・ル・パルク展” の展示の一部とのこと。
パルコでなく、ル・パルクでした。
・・・・・と、それはさておきまして。
ジュリオ・ル・パルクは、1928年アルゼンチン生まれ、
30歳でフランスに移住して以降、同地で活動を続けるアーティストです。
御年92歳。
今なお現役バリバリで制作しているそうです。
今展は、そんなル・パルクの日本では初となる展覧会。
コロナのせいで来日こそ叶いませんでしたが、
初期の作品や代表作だけでなく、2021年の最新作も展示されています。
こちらが、その最新作の一つである 《モビール》 です。
『GANTZ』 を彷彿とさせるようなSFチックな作品です。
ちなみに、この正体は、3360枚 (!) のステンレススチール。
それら1枚1枚に、メゾンエルメスの建物外観の特徴的な、
ガラスブロックと鉄のフレームが映りこんで、複雑な光景を作り出していました。
シンプルながらも、ずっと観ていられる、
いつまでも見飽きることがない作品です。
他にも、電動で地味に動くキネティックアート作品や、
動いてないのに動いているように見えるオプ・アート作品、
『古畑任三郎』 のOPっぽい抽象作品など、
初期のモノクロの作品も紹介されていましたが。
やはりル・パルクの代名詞と言えば、
ビルの外観にも使われていたカラフルな作品です。
さて、一見すると、レインボーカラーのように思えますが、実はそうではありません。
美術界でレインボーといえば、現代美術家・靉嘔さんの専売特許 (?) です。
靉嘔さんは、7色展開ですが、
ル・パルクは紆余曲折の末に辿り着いた・・・・・
この14色展開で、1959年より一貫して作品を制作し続けています。
正直なところ、靉嘔さんの7色とル・パルクの14色に、
大きな違いがあるかと言われれば・・・う~ん、そんなに大差はないような。
強いて言えば、色の幅が広い分、
ル・パルクのほうが、ポール・スミスっぽかったです (←だから何?)。
ちなみに。
先ほどの外観の作品を、内部から観ると、こんな感じ↓
光が差し込む分、ステンドグラスと同じ理屈で、
外側よりも内側で目にした方が数倍綺麗に感じました。
と、同時に『アメトーーク!』 のOP曲が、脳内で勝手に再生されました。
ル・パルーーク!