外苑前にある伊藤忠商事の東京本社。
先週金曜日、その足もとに、
新しいギャラリースペース・伊藤忠青山アートスクエアがオープンいたしました。
そのこけら落としとして開催されているのは、
“ねむの木のこどもたちとまり子美術展” という美術展です。
(注:特別に撮影の許可を頂いております)
こちらは、
『ガード下の靴磨き』 などのヒット曲で知られる宮城まり子さんが、
日本初の肢体不自由児療護施設として設立したねむの木学園の子供たちの絵画を展示する美術展。
ねむの木学園に最初に寄付をした人物が、伊藤忠商事の二代目伊藤忠兵衛だった経緯もあり、
伊藤忠青山アートスクエアのオープニングを飾る美術展として開催されることになったのだそうです。
さてさて、オープンしたばかりの伊藤忠青山アートスクエアには、興味がありましたが。
正直なところ、ねむの木学園の子供たちの絵画には、ほとんど興味がなかった僕。
というのも、どうにも昔から性格的に、
障害を持った人が制作した作品とうものが、苦手なのです。
障害を持った人が頑張って制作した作品だから、褒めなくてはいけない。
障害を持った人が頑張って制作した作品だけに、その良さがわからなかったら、心の冷たい人間だ。
そんな暗黙の了解があるような気がしてならないのです。
もし、ねむの木学園の子供たちの絵を、良かったと全く思えなかった場合、
いつものブログの記事のように本音で感想を書くべきか、
それとも、空気を読んで、当たり障りのない感想を書くべきなのか。う~ん。
しかし、いざ会場で作品を観てみると、
そんな悩みは、全くの杞憂に終わりました。
普通に、どの絵も良かったです!!
作者が障害を持っていようがいまいが、
出来上がった作品が素敵ならば、そんなことは関係がないようです。
純粋に絵の世界に没頭できたので、余計な色眼鏡をかけるタイミングがありませんでした (笑)
ちなみに、僕が今回の展示で、一番心を掴まれた作品は、
やましたゆみこさんの 《ねむの木国ねむの木県ねむの木村ねむの木》 という一枚。
一見すると、描かれているのが何なのか、よくわかりませんが。
よ~く目を凝らすと、たくさんの家や山が、ビッチリ描かれているのがわかります。
その労力を考えただけでも驚きますが。
さらに驚くのは、一つとして同じ家や山がないこと。
全部それぞれに表情を変えて描いているのです。
どれだけの労力がかかっているのでしょう。
根気が欠如気味の僕には、一生描けない作品です (笑)
さて、余談ですが。
オープン初日のセレモニーには、宮城まり子さんも出席されていました。
さすが、芸能人だけあって、
そのスピーチは、絶妙に笑いのツボを押さえた見事なものでした (笑)
いやはや勉強になります。
その後、オープニングセレモニーでは、恒例のテープカットをし、
締めくくりには、白い鳩を空へと放っていました。
飛び立つ鳩の群れを目にしたのは、ロート製薬のCM以来ですが (笑)
青い空に向かって白い鳩たちが飛び立っていく光景は、それはそれは感動的でした。
これからの伊藤忠青山アートスクエアの明るい未来を象徴していたような気がしました。
美術ブログのランキングにご協力をお願いします。
↧
ねむの木のこどもたちとまり子美術展
↧