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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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美ヶ原高原美術館

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箱根の彫刻の森美術館の姉妹館として、

1981年に美ヶ原高原に誕生した美ヶ原高原美術館。

 

 

 

今年6月に、めでたく開館40周年を迎えたのに合わせ、

敷地の中央に位置する親指広場もリニューアルしましたグッド!

 

 

 

敷地の広さは、実に4万坪!

彫刻の森美術館のほぼ倍に当たる広さです。

それゆえ、1、2時間ですべて周り切るのは、確実に無理ゲー。

少なくとも半日は滞在する余裕を持って訪れることをオススメします。

ちなみに、美ヶ原高原美術館といえば、

「11時をお知らせします」 でお馴染みの “アモーレの鐘”。

 

 

 

あのCMのイメージが強すぎて、

11時にしか鳴らないのかと思いきや。

毎時00分になるたびに、アモーレの鐘が鳴り響きました。

じっくり美術館を観て回っていたら、

4アモーレ、5アモーレは耳にすることができるでしょう。

 

 

また、常設展示されている作品の数は、なんと約350点!

彫刻の森美術館の倍以上にあたる作品数です。

 

 

 

それらの中には、井上武吉や後藤良二さんといった、

 

 

 

彫刻の森美術館でもお馴染みの作家の作品が多々ありました。

さすがは姉妹館。


数ある作品の中でも、やはりひときわ目を惹くのが、

アレクサンダー・リーバーマンの 《イリオッド・ジャパン》 です。

 

 

 

実はこの作品、大手町の東京サンケイビルの敷地内にもありますが、

ビル群のど真ん中で観るよりも、美ヶ原高原で観たほうが、感動はひとしお。

空の青と高原の緑との対比で、朱色の美しさが映えていました。

 

 

他に印象的だった作品をいくつか厳選してご紹介いたしましょう。

まずは、杉浦康益さんの 《陶による岩の群れ》

 

 

 

自然の岩を型取りし、同じ形の陶を25個制作し、並べた作品です。

作品の持つ雰囲気と、そのシチュエーションが、

なんとなく、欅坂46を彷彿とさせるものがありました。

平手友梨奈がセンターだった時代の。

 

続いて印象的だったのが、水本修二さんの 《検討又は触診》 です。

 

 

 

鉄板の一部に、手形が付いています。

それも下に向かって引きずるように。

 

 

 

たぶん、いや、絶対そんな作り方ではないと思いますが。

鉄板が熱々の状態のうちに、作者が両手を付け、

下に向かってグーっと引きずったのではなかろうか。

熱さに耐えきれず、断末魔の叫びをあげながら。

そんな想像をしたら、怖くて直視できなくなりました。

 

 

それから、こちらの小串英次郎さんの作品も。

 

 

 

何より印象的だったのが、そのタイトル。

《三角と三角と三角形と自然》 だそうです。

何その 『酒と泪と男と女』 みたいなネーミングは?!

・・・・・ていうか、よく考えたら、自然以外、全部三角だな!(←カミナリ風ツッコミ)

 

 

 

さてさて、もちろん彫刻作品も素晴らしかったのですが、

同じくらいに素晴らしかったのが、何といっても標高2000mというロケーション。

普段あまり目にすることのできない高原植物と、

アート作品の組み合わせが楽しめるのはもちろんのこと。

運が良ければ、雲海とのコラボも楽しむことができます。

 

 

 

こんな光景を目にすることができるのは、

もしかしたら、世界中でもここだけなのでは?

車でしか行くことができず、アクセスは悪いですが、

それを補ってでも、一度は訪れる価値のある美術館です。

星星星

 

 

ちなみに。

こんなところでも、高原を感じることができました。

 

 

 

自販機の飲み物の料金がやや高め。

高地あるあるです。

とはいえ、入館料は1000円なので、

基本は、良心的な価格設定の美術館です。

 

 

 

 

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