先日は、久しぶりに安曇野ちひろ美術館へ。
この秋、開催される展覧会、
“ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展” の内覧会に行ってきました。
こちらは、ちひろ美術館史上初となる、
ちひろ美術館ファンのリクエストで作品が構成された展覧会です。
今展の開催のために、今年の3月より、
ちひろ美術館の公式HP上に特設サイトがオープンしました。
皆さまに、サイトに掲載されたちひろの代表作の中から、
展覧会に出展して欲しい作品を選び、メッセージを添えて投稿するというもの。
(掲載されていない作品でもリクエスト可)
それらのリクエストをもとに構成された展覧会です。
ちなみに。
ピエゾグラフとは、エプソンデジタルプリント技術によって、
作家の微妙な筆のタッチを忠実に再現し、画材の素材感までも表現できる技術のこと。
淡く柔らかで繊細ないわさきちひろの水彩画はその性質上、
年月が経つほどに、紙が劣化し、色彩が退色してしまう運命にあります。
そこで、ちひろ美術館では2004年より、その時点での作品の状態を、
デジタル情報として記録し、保存していくアーカイブを進めてきたのだそう。
さらに、そのデジタル情報をもとにして、ピエゾグラフの制作を進めてきたそうです。
・・・・・・ん?“ピエゾグラフによる” ということは、
今回の展覧会には、ちひろ作品の実物は無いの?なぁんだ。残念。。。
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが。
ピエゾグラフの技術はとても精巧なので、
見た目は、ほぼ実物と一緒と言えるレベルです。
ちひろ美術館で幾度となく実物を目にしている僕でも、
実物とピエゾグラフを見分けられる自信は全くありません。
また、耐光性のあるインクで制作されているピエゾグラフ。
その特性を生かして、普段の展覧会よりもあえて照度を上げているのだそうです。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
それにより、いつもよりも明るい光のもとで、
ちひろ作品の繊細な色合いが鑑賞できるのだとか。
ピエゾグラフならではの展覧会をお楽しみくださいませ。
さて、会場では、リクエストされた作品の数々が、
寄せられたメッセージと併せて紹介されていました。
美術の専門家でない一般の方の飾らない言葉。
それがかえって、心にスーッと染み入ってきました。
紹介されていたメッセージは、
基本的には、一般のみなさまのものでしたが。
中には・・・・・
建築家の内藤廣さんや、俳優の奥貫薫さん、
他にも、政治学者の姜尚中さん、エッセイストの海老名佳代子さんからのメッセージも。
さらに、意外なところでは・・・・・
スチャダラパーのBoseさんのメッセージもありました。
一瞬、「何で??」 と疑問が頭を過りましたが、
そういえば、Boseさんは 『ポンキッキーズ』 に出演されてましたっけ。
子どもと相性が良い人物でしたね。
ちなみに。
こちらの展覧会、10月2日より、
ちひろ美術館・東京でも開催されます。
出展される作品は、ほぼ被っていません。
その東京会場のほうには、私とに~のリクエスト作品も出展されます。
もちろんメッセージと併せて。
どんなメッセージを寄せたのか気になる方は、
是非、東京会場のほうにも足をお運びくださいませ。
なお、安曇野と東京の両会場で唯一共通しているのが、
皆さまからのリクエスト人気トップ10の作品を紹介するコーナーです。
どちらにも同時に展示できるのは、複製できるピエゾグラフならでは。
栄えある1位に選ばれたのは・・・・・
『ゆきのひのたんじょうび』 に登場する 《赤い毛糸帽の女の子》 でした。
納得の1位です。
他にも、《母の日》 や 《おつむてんてん》 など、
ちひろの代表作が順当にランクインしていました。
しかし、その一方で、意外な作品もランクイン。
このベスト10のラインナップは予想できませんでした。
もし、いわさきちひろの人気作品、
全て当てるまで帰れま10をやったら、絶対に帰れる気がしません。