昨日紹介しました通り、ポーラ美術館では現在、
大型企画展としては開館以来初となる純度100%の現代アート展、
“ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?” が開催されています。
「その期間中、ポーラ美術館の顔ともいうべき西洋美術コレクションはどこへ?」
と気になった方もいらっしゃることでしょう。
実は今、それらのコレクションは、箱根峠を越え (?)、
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにやってきています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展覧会のテーマは、「甘美なるフランス」。
ポーラ美術館のコレクションの中から厳選された、
印象派やナビ派、エコール・ド・パリの巨匠の作品を紹介するものです。
出展されている絵画は74点。
それらの中には、ポーラ美術館のコレクションの中でも1、2の人気を誇る、
モネの 《睡蓮》 やルノワールの 《レースの帽子の少女》 も含まれています。
睡蓮 クロード・モネ 1907年 油彩/カンヴァス
レースの帽子の少女 ピエール・オーギュスト・ルノワール 1891年 油彩/カンヴァス
ポーラ美術館は何十回と訪れているので、
何十回と 《睡蓮》 と 《レースの帽子の少女》 を目にしていますが。
邸宅をイメージした空間で展示されている様は新鮮に感じられました。
また、ポーラ美術館では基本的に、
絵画コレクションと化粧道具コレクションは、別の展示室で紹介されているので、
今回のように合わせて展示されているのも新鮮でした。
ポーラ美術館にまだ足を運んだことがない方はもちろん、
ポーラ美術館に慣れ親しんでいる方にもオススメの展覧会です。
さてさて、ここからは、出展作の中から、
特に印象的だったものをまとめてご紹介。
まずは、キスリングの 《花》 です。
花 キスリング 1929年 油彩/カンヴァス
一見すると何の変哲もない花卉画ですが。
よく見ると、花瓶が置かれている場所に違和感を覚えます。
バルコニーの扉 (?) を開けたうえで、
そこに台的なものを置き、その上に花瓶を乗せています。
どうしてまた、そんな面倒なことを?
続いては、モディリアーニの 《ルネ》。
ルネ アメデオ・モディリアーニ 1917年 油彩/カンヴァス
ビートルズにいそうな見た目ですが、
モデルとなっているのは女性とのこと。
先ほど紹介した 《花》 を描いたキスリングの妻ルネだそうです。
よく見ると、右上にルネ (=RENEE) の文字が。
ルネ本人に似ているか自分でも心配で、
保険をかけて書き込んだのかもしれませんね。
今展では、普段ポーラ美術館では紹介されない、
スーパーサブ的な絵画の数々も展示されていました。
その中で印象に残っているのは、
ピエール・ラブラードによるこちらの女性像です↓
タイトルは、《バラをもつ婦人》。
どこにバラがあるのかと思えば、
左手に持ち、頭の上にちょこんと乗せていました。
予想の斜め上をいく持ち方です。
┃会期:9/18(土)~ 11/23(火・祝)
┃会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
┃https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola/