この秋、江戸東京博物館で開催されているのは、
“縄文2021―東京に生きた縄文人―” という特別展です。
2018年にトーハクで開催され、話題となった縄文展をはじめ、
縄文文化をテーマにした展覧会は数多く開催されていますが。
今展の一番の特色は、東京の縄文人にスポットを当てた点にあります。
東京に絞った縄文展は、実に35年ぶりの開催となるのだとか。
さて、突然ですが、ここでクイズです。
東京には、一体いくつの遺跡があるのでしょうか?
10?いえいえ。
100?まだまだ。
1000??もう一声。
正解は、なんと約3800もあるそうです。
今展では、その中から特に代表的な・・・・・
日暮里延命院貝塚や雪ヶ谷貝塚、
忠生遺跡、駒木野遺跡などの出土品が展示されていました。
代表的とは言われても、僕にとっては初耳のものばかり。
唯一知っていたのは、大森貝塚くらいなものでした。
ちなみに。
お雇い外国人の動物学者モースによって発見、
日本で初めての科学的遺跡発掘調査された大塚貝塚の出土品は、
破片も含めて、すべて重要文化財に指定されているそうです。
今展では、そんな重要文化財に指定されていながらも、
普段はほとんど展示される機会のない破片の数々もあえて展示されていました。
さてさて、展覧会では他にも、
東京の各遺跡で出土した土器を年代順に並べてみたり、
縄文時代の重要な乗り物であった丸木舟を紹介したり、
縄文時代のムラの様子を精巧に再現した模型があったり、と。
いろいろなトピックは用意されていたのですが、
3年前のトーハクでのあの縄文展と比べてしまうと、
期待してたほどのワクワクドキドキ感はありませんでした・・・ (※個人の感想です)。
その理由はおそらく、解説パネルのお勉強感が強かったことにあるような。
さらに、もう一つ言えば。
会場全体のデザインが、地方の自然史系博物館っぽいのも・・・う~ん。
それも、昭和からあるような自然史系博物館っぽさ。
決して、地方の自然史系博物館が悪いというわけではなく。
何でわざわざそっちに寄せたのかなぁという印象を受けました。
研究結果は最新のものではありましたが。
“縄文2021” と銘打ったにも関わらず、
展覧会全体のイメージは “縄文の日の1993” くらいのレトロさがありました。
ちなみに。
縄文展の目玉というべき、
土偶はちゃんと見ごたえがありました。
「東京の縄文土偶100」 と題し、
100体の土偶がズラリと並ぶさまは壮観。
個人的には、『進撃の巨人』 の奇行種みたいな土偶がツボでした。
ちなみにちなみに。
東京で出土されたわけでないですが。
10月19日~11月14日は縄文のヴィーナスが、
11月16日~12月5日は仮面の女神が、それぞれ長野県から出張してくれるそう。
そのタイミングに合わせて訪れるのがベターです。