Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の “巨匠たちの英国水彩画展” に行ってきました。
こちらは、J.M.W.ターナーの 《ルツェルン湖の月明かり、彼方にリギ山を望む》 をはじめ、
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの 《窓辺の淑女》 に、
『英国水彩画の父』 と呼ばれるポール・サンドビーの 《南西の方角から望むコンウェイ城》 などなど。
マンチェスター大学ウィットワース美術館が誇る英国水彩画のコレクションの中から、
選りすぐりられた名品ばかり約150点を紹介している超大型の水彩画展です。
なんとなく、水彩画よりは油彩画の方を有難く思ってしまう傾向がありますが。
そんな油彩画至上主義の方でも、さすがに、この水彩画展には十分満喫できるはず。
それくらいに質、量ともに、充実した内容になっていました。
実は、僕も、今日まで、隠れ油彩画至上主義者だったのですが、
今回の美術展を通じて、油彩画とは違う水彩画の魅力に目覚めました。
油彩画は離れて観る分には楽しめますが、
近づきすぎると、何が描かれているのか判別できないことが、往々にしてあります。
しかし、水彩画は、離れて観ても、近づいて観ても、どちらの観賞にも適しています。
1粒で2度美味しい。
つまり、今回の美術展には、約150点が展示されていますから、
離れて観て、近づいて観て・・・で、約300点の作品を観られるようなものです (←?)
それだけに、さすがに、今回の美術展は、ボリューミー。
いくら水彩画は油彩画よりもあっさりしているとはいえ、かなりボリューミーです。
特に、J.M.W.ターナーの作品は、冒頭で紹介した 《ルツェルン湖の月明かり、彼方にリギ山を望む》 だけでなく、
《シャモニー渓谷、彼方にモンブランを望む》 や、
《アップナー城、ケント》 など、
計30点が出展されています。
今回の美術展の出展作品の実に5分の1が、J.M.W.ターナーの作品。
J.M.W.ターナーは好きな画家ですが、今回ばかりは、さすがに飽きてしまいました (笑)
ちなみに、その全30J.M.W.ターナー作品の中で、
僕が一番好きなのは、《旧ウェルシュ橋、シュロップシャー州シュルーズベリー》
もし、自分がこれと同じ光景を目にしたら、
間違いなく、同じ構図で写真に収めたくなるだろうなァと、共感めいたものを覚えました。
時代や国は違っても、 「カッコイイ!」 と思う構図って普遍的なのかもしれませんね。
さてさて、約150点も出展されていますので、
J.M.W.ターナーの作品以外でも、気に入った作品&インパクトが強かった作品が多数あります。
そのうちのいくつかをご紹介いたしましょう。
まずは、ジョン・エヴァレット・ミレイの 《ブラック・ブランズウィッカー》
ブラック・ブランズウィッカーとは、
ドイツを占領したナポレオン軍を撃退するために募った義勇軍の英国での呼び名なのだとか。
そんなブラック・ブランズウィッカーの恋人を案じる女性を描いた一枚。
まさに、昼ドラ。
続いて、アンドリュー・ニコルの 《北アイルランドの海岸に咲くヒナゲシとダンルース城》
ヒナゲシというと、丘の上に咲いているイメージがありますが (←アグネス・チャン?)
北アイルランドにも咲いているのですね。
ヒナゲシとイギリスの古城の組み合わせが、
合っていないようで合っているようで、不思議な魅力の一枚です。
最後は、今回の美術展で一際異彩を放っていた一枚をご紹介。
ウィリアム・ブレイクの 《日の老いたる者》 (『ヨーロッパ』図版1、口絵) です。
英国の水彩画の巨匠たちに交じって、
永井豪の作品が展示されているのかと、一瞬ビックリしてしまいました (笑)
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巨匠たちの英国水彩画展
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