根津美術館で開催中の “ZESHIN―柴田是真の漆工・漆絵・絵画” の内覧会に招待して頂きました。
こちらは、幕末から明治時代にかけて活躍し、
海外にもその名を轟かすスーパー蒔絵師・柴田是真 (1807~1891) をフィーチャーした美術展です。
実は、何を隠そう (←隠す必要は全くないですが!) 、僕は、柴田是真の大ファン。
2009年に三井記念美術館で開催された “柴田是真の漆×絵” で、すっかりその魅力にハマってしまいました。
(柴田是真の魅力に関しては、その時の記事にて語り尽くしていますw)
以来、次なる柴田是真展の開催を楽しみにしていたところ、
まさか、3年目にして、根津美術館で開催される運びになるとは!
しかも、今回の柴田是真展に出展されている作品は、
三井版と違って、全て国内にある是真作品なのだとか!
というわけで、これでもかというくらいに期待して、
かなりハードルを上げた状態で、根津美術館を訪れてしまったわけですが (笑)
ちゃんと、そのハードルを越えてくれました!!
「内覧会に呼んで頂いたから」 とか、そんなビジネスライクな理由ではなく、3つ星。
ただただ素晴らしかったです!
(↑ちょっと興奮していますw)
さてさて、何が、そこまで素晴らしかったのかと言いますと。
まず第一に、この美術展のために、日本全国津々浦々より、
美術館が所蔵する名品から個人蔵の貴重な作品まで、是真作品が大集合していること、
その奇跡的な光景に、是真ファンとしては、震えが止まりませんでした。
京都の鹿苑寺からは是真最大級の立体作品 《扇面蒔絵書棚》 が!
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
東京国立博物館からは、 《烏鷺蒔絵菓子器》 が!
そして、代表作の一つである板橋区立美術館の 《花瓶梅図漆絵》 も、もちろん参戦!
さらに、根津美術館が所蔵する是真作品の数々も惜しげもなく大公開中です。
三浦乾也との合作 《夕顔蒔絵板戸》 や、
ポツリと寂しそうなお内裏様とお雛様の絵…と見せかけて (?) 、
実は、表装の部分に、たくさんの雛道具を蒔絵で賑やかに描いている 《雛図》
(注:展示は、11月25日まで)
若干、蛭子さんテイストなイラストが気になる (←?) 《業平蒔絵硯箱》 は、
元となった作品と併せて展示されています。
他にも、個別に紹介したい作品が、たくさんありますが、
記事が終わらなくなってしまうので、この辺りでセーブしておきます (笑)
・・・と、日本全国から是真作品が集まっていることもポイントですが、
今回の最大のポイントは、何と言っても、是真作品が、根津美術館の内装と見事に調和していたことに尽きます。
根津美術館の黒を基調としたシックでスタイリッシュな空間と、
是真のシックでスタイリッシュな作品世界のシンクロ率の高さには、目を見張るものがあり、
「今回の是真展のために、根津美術館をリニューアルしたんだっけ?」
と思ってしまったほど。
また、小さな作品から、
大きな作品まで。
約120点の是真作品が展示されていたわけですが。
そのボリューム的に、会場となっていた根津美術館の展示室の広さが、まさにジャストサイズ。根津美術館は、そこまで特別展の会場が広くないので、
普段の美術展の場合、
“あれ、これで展示が終わりなんだ?!”
と、若干の物足りなさを感じることも、しばし。
しかし、今回は、
“もうお腹いっぱい~”
と、十二分に満足いたしました。
根津美術館がリニューアルオープンしてから、
これまでに10以上の美術展を拝見させて頂いておりますが。
間違いなく、今回の是真展が、マイNo.1美術展です。
文句なしの美術展ですが、一つだけ言わせて頂くならば。
これだけ素晴らしい美術展なのに、キャプション等から、
根津美術展側の是真熱が、ほとんど伝わってこなくて、ちょっと寂しかったです (笑)
(こちらのテンションとの温度差が・・・笑)
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ZESHIN―柴田是真の漆工・漆絵・絵画
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