現在、岡本太郎記念館で開催されているのは、
“今がすべてだ!―続・柿沼康二の挑戦状―” という展覧会です。
大河ドラマ 『風林火山』 や北野映画 『アキレスと亀』 の題字を揮毫し、
世界各地で大筆を使用した書道パフォーマンスを披露してきた書家・柿沼康二さん。
そんな柿沼さんと岡本太郎記念館が初タッグを組んだのが、
2010年開催の企画展 “化け文字 ~書家・柿沼康二の挑戦状~” です。
その際、柿沼さんは、「まえ」 という2文字だけで、
展示室内の壁一面を埋め尽くすパフォーマンスを披露したのだとか。
・・・・・・・展覧会を観てないので、まったくイメージが湧きませんが (汗)
さて、あれから11年。
岡本太郎記念館を舞台に、
柿沼さんが再び筆を振るっています。
展示室を埋め尽くす文字・文字・文字。
その迫力に圧倒させられること必至です。
特に、黒い壁に殴り書きされたこちらの赤い文字は・・・・・
『仁義なき戦い』 を彷彿とさせるものがあり、
向き合った瞬間に、思わず足がすくんでしまいました。
なお、その真向かいの壁に書かれていたのは・・・・・・
「ぱーぱー」 と 「パーパー」 のリフレイン。
『仁義なき戦い』 のイメージに引っ張られて、
「♪ぱぱぱーぱぱぱーん」 のメロディが脳内で再生されました。
ちなみに。
念のため、言っておきますが、
僕が勝手にそう思ってしまったというだけで、
展覧会は 『仁義なき戦い』 と、まったく関係がありません。
書かれているのは、岡本太郎の言葉です。
さてさて、展覧会のタイトルに “挑戦状” とありますが、
今回、柿沼さんはマスキングテープを使った書に挑んだそうです。
絵画を描く際に、塗料を塗りたくない部分の保護や、
塗り分けをするのに、マスキングテープがよく使われますが。
マスキングテープそのものを表現に使うというのは、なんともコロンブスの卵的な発想です。
こんな使い方があったのか、と、目からウロコが落ちました。
しかも、マスキングテープは、簡単に剥がせるわけで。
その特性を活かして、展示室以外の床や壁など、
記念館のいたるところに、マスキングテープの書が書かれていました。
なお、さらなるチャレンジとして、
会期中、会場内が日々変わっていくとのこと。
不定期に柿沼さんが記念館を訪れては、
インスピレーションの赴くまま、新たに書を書き足していくのだそう。
“今がすべてだ!” というタイトルながら、実は、「今がすべて」 ではないようです。
展覧会の最終日は、2022年3月13日。
それまでに会場がどんな風に変貌を遂げるのか。
定点観測的に訪れたい展覧会です。
ちなみに。
岡本太郎記念館は何度も訪れていますが、
今回初めて日没後の記念館にお邪魔しました。
2階のベランダから庭を見下ろす太陽の塔。
夜だと、若干ジュリエット感 (?) が醸し出されていました。