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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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国立民族学博物館

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岡本太郎の 《太陽の塔》 のほど近くにある・・・・・

 

 

 

国立民族学博物館に行ってきました。

 

 

 

設計は、黒川紀章。

2024年には創設50周年を迎えるミュージアムです。

 

このミュージアムが、《太陽の塔》 のすぐそば、

万博公園内にあるのは、ちゃんと理由があります。

パリ大学民族学科に学び、民族学への関心が高かった岡本太郎は、

大阪万博のテーマ館の展示の一部に、世界各地の民俗資料を使って、
過去・現在・未来の世界を表現する構想を立てました。
そのビジョンを実現すべく、民族学者の梅澤忠夫らによって、
組織されたのが、日本万国博覧会世界民族資料調査収集団。
彼らが収集した大量の民族資料が、
国立民族学博物館コレクションの大きな柱となっているのです。
 
 
さてさて、千葉県にある国立歴史民俗博物館と、
館名がよく似ていて、混同されがちな国立民族学博物館。
国立歴史民博物館 (=歴博) に対し、
大阪にあるのは国立民学博物館 (=民博)。
歴博は、日本の歴史や民俗学、考古学のミュージアムで、
民博は、民族学や文化人類学のミュージアムとなっています。
そのコレクション総数は、実に約34万5000点!
民族学系のコレクションとしては、世界でも数本の指に入るレベルです。
 
常設展示では、それらから選りすぐられたアイテムが、
オセアニアやアメリカ、アフリカ、南アジア、西アジアなど、地域別に展示されています。
 
 
 
特徴的なのは、世界の人々の暮らしがわかるよう、
衣食住などの生活用品が中心に展示されていること。
 
 
 
展示室内を歩いているだけで、
『世界ウルルン滞在記』 の気分を味わえます。
もしくは、『世界ふしぎ発見!』 のミステリーハンターの気分。
 
ということで、突然ですが、ここでクエスチョンです。
 
 
 
300羽ものミツスイという鳥から採集した羽根を、
樹皮に巻き付け、コイル状にしたこちらのアイテム。
ソロモン諸島の人々がある用途で使うものなのですが、一体その用途とは何でしょう?
正解は・・・・・・・
 
 
 
 
 
貨幣。
 
といっても、一般的に使用するわけではなく、
男性が妻を娶る際の婚資や、島の規則を破った際の賠償などに使われているようです。
 
 
せっかくなので、もう1問クエスチョン。
 
 
 
ルーマニアのサプンツァという村で、
よく見かけるというこちらのポップな看板のようなもの。
日本に限らず、世界中どこでも目にするものなのですが、果たして、この正体は一体何でしょう?
正解は・・・・・・・
 
 
 
 
 
お墓。
 
亡き村人の生前の姿を、あえてユーモラスに、
絵と物語で紹介するお墓で、『陽気な墓』 と呼ばれているのだそう。
もしも、面白くなかったら、子孫だけなく、知らん人にも、
「わー、あいつの墓、全然面白くないじゃん!」 と指をさされるのでしょうね。
死んだ後もスベるなんて、考えるだけで地獄。
死んでも死にきれないです。
 
 
また、地域別の展示とは別に、
音楽をテーマにした展示室もあります。
 
 
 
ここだけ切り取ってみれば、浜松市楽器博物館のようですが。
世界の楽器を満遍なく紹介する浜松市の楽器博物館と違って、
なぜか民博では、世界各地のギターが重点的に紹介されていました。
 
 
 
やっぱ、やしきたかじんの影響でもあるのでしょうか?
 
ちなみに、通常展示のラストを飾るのは、
アイヌから琉球まで、日本津々浦々の文化です。
 
 
 
なお、アイヌのコーナーには、こんな木彫作品も。
 
 
 
アイヌの木彫で、これほどのリアリティがあるのは、
そう、伝説の木彫り職人・藤戸竹喜による作品でした。
こちらの作品に限らず、展示室のあちこちには、
世界各地の (特に民族文化を色濃く反映する) アーティストの作品が点在しています。
 
 
 
そういう意味では、民族学や文化人類学に、
そこまで興味がないというアートファンでも十分に楽しめるはず。
《太陽の塔》 を訪れた際には、是非とも立ち寄りたいミュージアムです。
星星
 
 
ちなみに。
民博は、世界各国の民族衣装も充実しています。
こちらは、アフリカコーナーなのですが。
 
 
 
どの民族衣装も・・・・・
 
 
 
MISIAの衣装にしか見えませんでした。
Everything、MISIAです。

 

 

 


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