2022年2月2日。
大阪中之島美術館がついに開館しました!
準備室が開設されてから、約30年!
構想が発表されてからと考えると、
開館までに実に約40年 (!) の歳月がかかっています。
全裸監督以上に、お待たせし過ぎたかもしれませんな美術館です。
そんな大阪中之島美術館の入り口に設置されているのは、、
大阪出身の現代美術家ヤノベケンジさんによる 《SHIP'S CAT (Muse)》。
「SHIP’S CAT」 とは、船乗り猫。
つまりは、船で飼われる猫で、旅の守り神とされています。
このたび出港した大阪中之島美術館の行方を見守る猫なのでしょう。
さて、美術館の内部で何よりも特徴的なのが、
1階から5階までを貫く巨大な吹き抜け空間です。
その吹き抜け空間に、誰もが行き来できる2階の 「パッサージュ」 と、
4階にある展示室の入り口とを結ぶ巨大エスカレーターが設置されています。
安全性が理由なのでしょうか、
エスカレーターのスピードがなかなかに遅かったです。
関東生まれの僕がそう思ったくらいなので、
大阪地元の人は、この速度にイライラしないか心配になってしまいました。
と、それはさておき。
大阪中之島美術館のこけら落としとなる開館記念展として開催されるのが、
“Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―” という展覧会。
大阪中之島美術館コレクション6000点以上から選りすぐりの400点を、
それらの作品にまつわる 「99のものがたり」 と併せて一挙展示する展覧会です。
展覧会には、佐伯祐三の代表作 《郵便配達夫》 を筆頭に、
《ヴィーナスの誕生》 をモチーフにしたマグリット作 《レディ・メイドの花束》、
日本とパリを拠点に活動した今井俊満の 《New York(C)》 、
クリムトとともにウィーン分離派の一員として活躍したコロマン・モーザーの 《アームチェア》、
さらには、国内唯一のモディリアーニの裸婦像とされる 《髪をほどいた横たわる裸婦》、
これまた国内では唯一所蔵となるアルチンボルドの油彩画 《ソムリエ(ウェイター)》 などなど、
40年のうっぷんを晴らすかのように (?)、名品の数々を惜しげもなく大放出しています。
質、量ともに圧倒的なボリュームで、
じっくり観ていたら、2時間くらいあっという間に経ってしまいました。
ホンマにかなわんわー。
なお、展覧会全体としては写真撮影NGですが、一部作品に限り撮影可。
上に挙げた作品以外にも、写真撮影可能な作品が数点ありました。
何を基準に撮影可の作品を選んでいるのかは、不明ですが。
モーリス・ルイスのこの作品にいたっては・・・・・
おそらく、作品タイトルがタイムリーな感じなので、選抜されたような気がします。
他にももっと映える作品があるのに、
他にももっと知名度の高い作家の作品があるのに、
わざわざモーリス・ルイスのこの作品を選ぶなんて、それしか考えられません (←?)。
ちなみに。
今回出展されていた中で、特に印象に残っているのは、
大阪市に生まれた画家・大久保作次郎の 《或る音楽会の客》 です。
明らかに、観客の表情が死んでいます。
一人としてテンションが上がっていません。
よっぽど期待外れの音楽会だったのでしょう。
アコースティックver.ばっかり演奏するとか。
それからもう一点印象的だったのが、
ダゴベルト・ペッヒェの 《チョコレートセット》 です。
初めて目にするのに、なぜか初めましてな気がせず。
デジャヴュのようなものを感じていました。
展覧会場ではすぐに、その正体に思い至りませんでしたが、
展覧会鑑賞後、小腹が空いたので、ファミマに寄った際に答えがわかりました。
あ、ファミチキの袋だ!!