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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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モーソウ美術館増刊号

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本日2月9日は、読売新聞夕刊カルチャー面 「Pop Style」 にて、

2年にわたって連載している月1コラム 『モーソウ美術館』 の掲載日。

毎月、古今東西の名画を1点取り上げ、

それを徹底的に “モーソウ (=妄想)” しています。

 

今回のお題は、ブリューゲルの 《バベルの塔》

 

 

 

この絵をじーっと眺めていたら、

建設中のタワーマンションに見えてきたので、

そこから、いろいろとモーソウを膨らませてみました。

なお、その一連の中で、《バベルの塔》 の入居者募集の広告も考えてみました。

いわゆる、マンションポエム的な。

 

我ながら、それっぽいコピーを生み出せたので、

せっかくならと、そのうちのいくつかを画像でも作ってみました。

連載では、文字しか掲載できないため、

こちらのブログで紹介したいと思います。

 

 

 

さて、せっかくついでに、もう一つ。

個人的にはお気に入りの菱川師宣 《見返り美人図》 の回が、

文字数の関係で少しカットせざるをえなかったので、完全版をお届けしたいと思います。

 

 

 

なぜ、この絵の題名は 《振返り美人図》 ではなく、《見返り美人図》 なのか。

もしかしたら、その理由はモデルの女性の性格にあったのかも―
 

「君のおかげで、歴史に残るであろう傑作が完成したよ!」

 

「えー、私なんか大したことないですー。菱川先生の実力ですよー」

 

いやいや、君の美しさがあってこそだよ。本当にお疲れさまでした」

 

・・・・・」

 

「・・・・・あ、もう帰っても大丈夫だよ。送ってこうか?」

 

「そんな悪いですよー。私住んでるところ遠いんでー」

 

あっ、そうなんだ!気が利かなくてごめんね。これよかったら、駕籠代に使って」

 

「えーっ?こんなに貰っちゃっていいんですかー?!」

 

「どうぞどうぞ」

 

でも、本当、傑作が生まれて良かったですー。

 今日のために、わざわざ髪を結ってもらった甲斐がありましたー」

 

「あー、そうなんだ!そしたら、これ美容代の足しにして」

 

「えー、いいんですか?何かまたお金を請求しちゃったみたいでごめんなさいー」

 

「いや、気にしないで!じゃあ、またね」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・まだ帰らないの?」

 

「なんかー、描かれている間、ずっと振り返る体勢してたじゃないですかー。

 それが理由かわからないんですがー、腰にちょっと違和感があって。

 家に帰る前にあんまさんに寄ったほうがいいですかねー??」

 

「・・・・・あー、うん。じゃあ、このお金で・・・」

 

「ありがとうございますー。あっ、あとー・・・」

 

「まだあるの?!」

 

「このお着物なんですけどー」

 

「あー、それは洗って返してくれればいいよ。いつでもいいから」

 

やっぱりー、この絵が傑作になった理由の一つは、

 この華やかなお着物を、私が着こなしているからだと思うんですよねー。

 ていうかー、むしろ、私じゃないとこの着物の魅力を引き出せなかった的な?」

 

「・・・・・そ、そしたら着物返さなくていいや。あげるよ。うん」

 

「本当ですかー?超嬉しい!

 先生、また私のこと描いてくださいねー♪さよならー」

 

「・・・・・・・めちゃめちゃ見返り求める女だな!」

 

 

 


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