先月の 『赤江珠緒たまむすび』 でも、
僕が今年注目する展覧会として、
“ゲルハルト・リヒター展” をプッシュしました。
現代アート界のレジェンド、ゲルハルト・リヒター。
日本では16年ぶりとなる個展ということを、熱くプレゼンしてきたのですが・・・・・。
実は、ルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋5階にあるエスパス ルイ・ヴィトン大阪で、
ゲルハルト・リヒターの展覧会が開催中であることをすっかり失念しておりました (汗)。
その名も、“GERHARD RICHTER ABSTRAKT”。
ルイ・ヴィトンが所蔵するアートコレクションの中から、
1980年代から2010年代までのリヒターの抽象作品を一挙公開する展覧会です。
何といっても、やはり一番目を惹くのは、
縦2.6m×横4mの大作 《Lilak》 でしょう。
《Lilak》 というタイトルながら、
全然ライラックの色でもないし、
そもそも花っぽくもないですが。
そんなことを吹き飛ばすほどの圧倒的なパワーを感じる絵でした。
もし、悩んでいることがあったとしても、
この作品の目の前に立った瞬間、吹き飛んでしまうはず。
下のフロアで販売されてたルイ・ヴィトンの服やバッグが、
とても気になっているけど、金額的に買おうかどうか悩み中・・・。
そんな方が 《Lilak》 を目にしたら、速攻で購入しちゃうかもしれません。
また、《MÖHRE》 もパワーあふれる一枚。
「MÖHRE」 はドイツ語で 「ニンジン」 なのだそう。
お恥ずかしながら、いい歳こいて、
ニンジン (特に生食の!) があまり得意でない僕。
大人なので我慢して食べますが、
口や頭の中では、こんな風に独特の風味やえぐ味が広がっています。
リヒターも、もしかしたら、ニンジンが苦手なのかも。
勝手に共感を覚えてしまいました。
さてさて、展覧会では他にも、
写真の上に絵の具を塗り付けた作品群や、
絵の具の上からガラス板を押し付けた 「Flow」 シリーズなど、
リヒターがこれまでに手掛けた実験的な抽象作品の数々が紹介されています。
その数、実に18点!
先日、ポーラ美術館がオークションで落札した、
1987年作のリヒターの抽象作品が約30億円だから・・・・・
総額いくらになるのでしょう??
さすがはルイ・ヴィトンです。
ちなみに。
展覧会のもう一つの目玉となるのが、今回初公開される、
《940-4 Abstraktes Bild》 と 《941-7 Abstraktes Bild》 の2点。
こちらは、リヒターが過去に制作した抽象絵画をスキャンし、
デジタル加工を繰り返し、ストライプ状に分割した作品なのだそう。
ルイ・ヴィトンにも関わらず、この2点があるだけで、
会場内のポール・スミス感が一気に増していました。