ワタリウム美術館のコレクションを中心に、
アート作品を紹介する不定期企画 “アイラブアート”。
その第16弾として、現在開催中なのが、
“視覚トリップ展 ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に” です。
展覧会のサブタイトルにあるように、
アンディ・ウォーホルの初のドローイング集や、
「ビデオアートの父」 ことナムジュン・パイクの作品群、
ワタリウム美術館の前身にあたるギャルリーワタリ時代より、
深いつながりのあるヨーゼフ・ボイスの黒板ドローイングなどなど、
現代アート界のレジェンドたちの作品が数多く出展されています。
(ちなみに、ボイスの作品のすぐ近くには、河原温とオラファー・エリアソンの作品も!)
また、来日したキース・へリングが制作した作品や、
一昨年に惜しまれつつこの世を去ったクリストの作品も出展されています。
改めて、ワタリウム美術館のコレクションの素晴らしさに唸らされる展覧会でした。
原美術館の閉館から早2年。
東京を代表する現代アートの美術館として、
これからも末永く現代アートを発信し続けてくださいませ。
個人的には、ちょうど東京都現代美術館で、
妻である久保田成子展が開催中ということもあり、
ナム・ジュンパイクの作品をまとめて観られたのが嬉しかったです。
ちなみに。
それらの作品群の中には、こんなドローイング作品も。
・・・・・・・東大ナゾトレ?
ナム・ジュンパイクではなく、
松丸亮吾君が作成したものかと思いました。
他に印象的だったのが、
マルセル・ブロータスという作家。
ヤシの木がタオルに描かれた彼の作品を展示する際は、
会場に実際のヤシの木の植木鉢を置くことが決まっているのだそう。
水やりなどのメンテナンスが必要なため、なかなかに手間のかかる作品です。
なお、ベルギー生まれのマルセル・ブロータスは、
同じベルギー出身のマグリットに強く影響を受けていたそうで。
マグリットの 《イメージの裏切り》 をモチーフにした作品も制作しています。
絵のタッチといい、フォントの感じといい、
全体的な雰囲気が、『ピタゴラスイッチ』 感を醸し出していました。
また、今回唯一のゲストアーティスト、
さわひらきさんの作品も印象深かったです。
さわさんといえば、室内を飛行機が飛び交う、
ありそうで無さそうなシュールな光景の映像作品が有名ですが。
今展では、その映像作品 《DWELLING》 とともに、
新作の映像作品 《/home(absent room)》 が発表されています。
《/home(absent room)》 は、《DWELLING》 から、
飛び交う飛行機の映像を丹念に一つ一つ消したもの。
・・・・・・・ん?
いや、おそらく、《DWELLING》 を制作した際には、
何もない室内の映像がもともとあって、そこに飛行機の映像を足したわけで。
だったら、わざわざ 《DWELLING》 から、飛行機を消さず、元のデータを流せばいいような。
無駄な手間にもほどがあります。
映像を足して、その後、また映像を消して。
一周回って、元の映像に戻る。
そのシュールな行為は、間違いなくアートです。
最後に。
個人的にもっとも印象に残った作品をご紹介。
こちらは、愛知出身の有馬かおるさんが、
中日スポーツの上にドローイングを描いたものです。
正直なところ、ドローイングそのものよりも、
悪魔ちゃん騒動の記事のほうがインパクトありました。
そういえば、こんなニュースありましたね!
さらに、それ以上に気になる記事がありました。
『お笑いマンガ道場』 最終回のニュース。
子どもの頃、毎週楽しみに見ていた番組の一つです。
富永先生と鈴木先生のやり取り楽しかったなぁ。
そういえば、幼稚園児の頃、「だん吉なお美のおまけコーナー」 にハガキを投稿したなァ。
視覚だけでなく、幼少期の想い出にもトリップできる展覧会でした。