この春、SOMPO美術館では、
“シダネルとマルタン展 ―最後の印象派、二大巨匠―” が開催されています。
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(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
「最後の印象派」 と呼ばれる世代を筆頭するフランス人画家であり、
近年本国で再評価が高まっているアンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタン。
そんな2人のアンリに焦点を当てた展覧会です。
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フランス北部に生まれ、北を拠点に活動した、
「北のアンリ」 ことアンリ・ル・シダネル (1862~1939) 。
その作風は、実に穏やかです。
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アンリ・ル・シダネル 《ヴェルサイユ、月夜》 1929年 油彩/カンヴァス 95×116cm フランス、個人蔵 ©Yves Le Sidaner
キュビスムだのシュルレアリスムだの、
当時の前衛的な美術とは真逆の穏やかな風景画を描き続けました。
とりわけ特徴的なのが、こういったタイプの作品です↓
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アンリ・ル・シダネル 《ジェルブロワ、テラスの食卓》 1930年 油彩/カンヴァス 100×81cm フランス、個人蔵 ©Luc Paris
人物が描かれていないにも関わらず、人の気配を感じさせる。
今風に言えば、「匂わせ」 絵画をシダネルは多く残しています。
一方、「南のアンリ」 こと、アンリ・マルタン (1860~1943) はと言いますと。
シダネルと同じく、日常の何気ない光景や、
身近な人物をモチーフにしてはいるものの。
その作品はどこか神秘的で、どこか謎めいています。
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風景を描いてみても、ご覧の通り。
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アンリ・マルタン 《マルケロルの池》 1910-1920年頃 油彩/カンヴァス 81.5×100.5cm
フランス、ピエール・バスティドウ・コレクション ©Galerie Alexis Pentcheff
彩度が高いのも一因なのでしょうか。
どことなく非現実感が漂っており、
まるで白昼夢を観ているかのような印象を受けました。
印象的なマルタン作品は多々ありましたが、
特に印象に残っているのは、2点並んだこちらの少女像です。
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全体から醸し出されている、
そこはかとない不穏さゆえでしょう。
田舎町で起きた連続失踪事件の被害者のように思えてきました。
海外のTVドラマにありそうな。
人を描かないのに、人の存在を感じさせるのがシダネル。
人を描いているのに、不在を感じさせるのがマルタン。
似て非なる2人です。
なお、マルタンはその生涯で、パリ市庁舎を含め、
全部で12の公共建造物の壁画を手掛けているのだそう。
ビジネスマンとしてもやり手だったのでしょうね。
会場には、それらの壁画の習作の数々も展示されています。
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ちなみに。
活動の拠点やスタイルこそ違いますが、
シダネルとマルタンは、深い友情で結ばれていたそう。
展覧会では、マルタンによるシダネルの肖像画もありました。
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アンリ・マルタン 《アンリ・ル・シダネルの肖像[カオールの《戦争記念碑》のための習作]》 1931年頃 油彩/厚紙 46×33cm
フランス、個人蔵 ©Yves Le Sidaner
頭頂部の薄くなっている部分を、
筆致の激しさで、目立たなくさせていることに、
友に対するマルタンの優しさを感じることができました (←?)。
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そうそう、友人と言えば、こんな作品もありましたっけ。
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シダネルによる 《オーブリー、田舎の警備員》 です。
キャプションによると、この絵はシダネルが、フランス北部の町、
オーブリーに住む友人アンリ・モーリスのシャトーに滞在した際に描いたものとのこと。
・・・・・また、アンリかよ!!
心の中で思わずツッコんでしまいました。
最後に、SOMPO美術館が現在行っている取り組みについてご紹介いたしましょう。
SOMPO美術館といえば、ゴッホの 《ひまわり》 。
そこで、平和の象徴 「ひまわり」 に関連して、
SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンと連携し、
ウクライナや近隣国に人道支援活動への寄付を行うことにしたそうです。
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詳細に関しては、こちらに↓
展覧会を訪れることが、
もしくは、動画を観ることが、支援活動に繋がります。
是非、僕らにできることを。
┃会期:2022年3月26日(土)~6月26日(日)
┃会場:SOMPO美術館
┃https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2021/sidaner-martin/
~読者の皆様へのプレゼント~
“シダネルとマルタン展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、4月18日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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