東京都庭園美術館で毎年開催される恒例企画、建物公開展。
朝香宮邸 (現・東京都庭園美術館本館) そのものに焦点を当て、
アール・デコの様式美が詰まった建物の魅力を紹介する展覧会です。
普段、展覧会が開催されている際は、
作品の保護のため、窓のカーテンは極力閉められていますが、
この建物公開展に限っては、逆にカーテンが極力開けられています。
それゆえ、東京都庭園美術館に何度か通っている人ほど、
いつもとは違う、素の表情 (←?) に驚かされるかもしれません。
いわゆる、ギャップ萌えというヤツですね (←??)。
なお、これまでの建物公開展と同様に、今回も写真撮影OK。
普段は写真撮影できない分、思う存分、撮影をお楽しみくださいませ。
また、ただカーテンを開けているというだけでなく。
家具を設置したり、デスク回りをイメージ再現したり、
朝香宮夫妻が暮らしていた当時の様子も極力再現されています。
まるで、ついさっきまで朝香宮夫妻がいたような。
その雰囲気がリアルなだけに、
生活の痕跡を残したまま、朝香宮夫妻が失踪してしまったかのような。
ちょっとだけ、メアリー・セレスト号事件を連想してしまいました。
なお、もっとも再現展示に力が入っていたのが、大食堂。
テーブルセットが、実にオシャレな感じでした。
近所の主婦が集まるお茶会とは、一線を画しています。
ちなみに。
毎年、異なる切り口で建物公開展が開催されていますが、
今年は、“建物公開2022 アール・デコの貴重書” と題して、
庭美が所蔵するアール・デコ期の貴重書も併せて展示しています。
さらに、新館では、より膨大な量の資料を展示!
・・・・・・いくらなんでも、量多すぎじゃね?
とも思いまいしたが、よくよく考えてみると、
アール・デコの “デコ” とはデコレーション、つまり装飾のこと。
デコ電やデコ爪の “デコ” と、意味はまぁ一緒なわけです。
すなわち、アール・デコは、本質的に過剰なもの。
これでもかと壁一面に展示されているのは、
むしろ、アール・デコらしい展示スタイルといえましょう。
また、書籍と言えば、通常時はガランとしている書庫も、
今展に限っては、本がパンパンに詰められている・・・・・
風になっていました。
近づいてしまうと、張りぼてでがバレるので、あまり近づきませんように。
離れたところから観て、その雰囲気を楽しみましょう。
最後に。
建物公開展の際には、ほぼ必ずと言っていいほど、
皆勤賞で出展されるペンギンの置物は今回も健在でした。
彼らに出会うと、
無性にクールガムが食べたくなります。