現在、日本民藝館で開催されているのは、
“仏教絵画 浄土信仰の絵画と柳宗悦” という展覧会。
これまでまとめて紹介される機会がなかったという、
柳宗悦が蒐集した中世の仏教絵画を一挙公開する展覧会です。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
柳が仏教絵画を集中的に集めていたのは、
大病で左半身の自由を失った後、1958年から没する61年までとのこと。
仏教絵画を集めることに、祈りを重ねていたのかもしれませんね。
いわゆる、仏教美術展で目にするような、
正統派の仏教絵画も多く展示されていましたが。
そこは、柳による仏教絵画コレクション。
ゆるカワ系の個性豊かな仏教絵画も同じくらい展示されていました。
点取り占いのイラストくらいのユルさがあります。
この仏さまが僕らを守ってくれるというよりは、
むしろ、「こっちが守ってあげなくては!」 という気にさせられました。
そのお姿もユルいですが、輪をかけてユルいのが光背の表現。
そもそも光背なのでしょうか??
脱出マジックの際に、箱に突き刺す剣のようにも見えてきました。
阿弥陀如来、絶体絶命です。
それから、もう1点お気に入りなのが、
室町時代に描かれたという 《善無畏像》 です。
その右手にご注目くださいませ。
これは、明らかに 「きゅんです」 ポーズをしています。
袈裟からきゅんです。
ここ最近流行りのポーズかと思いきや、
室町時代から存在していたポーズだったのですね (←?)
さて、展覧会では仏教絵画に限定せず、
日本民藝館が所蔵する仏教に関するアイテムも多数紹介されていました。
その中で個人的にイチオシなのは、
高麗時代の石像鍍金の 《釈迦如来像》 です。
じーっと眺めていたら、坂東彌十郎さんに見えてきました。
『鎌倉殿の13人』 で北条時政役を熱演中の。
あと、石丸謙二郎さんにも見えてきました。
『世界の車窓から』 のナレーションでお馴染みの。
それからもう一つイチオシなのが、こちらの名号です。
『南無阿弥陀仏』 の6文字すべての先端が、剣のように尖っています。
このような字体の名号を 《利剣名号》 と呼ぶのだそうです。
まるでパンクバンドのロゴのよう。
マキシマムザホルモンのロゴのようです。
木魚や銅鑼を一心不乱に打ち鳴らしながら、
デスボイスで 『南無阿弥陀仏ー!』 とシャウトする僧。
そんな妄想をしてしまいました。
ちなみに。
展覧会とは別に、所蔵品展も開催されています。
そちらに出展されている作品の中に、
浜崎あゆみが好きそうな燭台がありました。