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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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富田菜摘展 「シャングリラ」

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5月になりましたね (そうですね!)。

行動制限が求められらないGWは3年ぶりみたいですね (そうですね!)。
そうそう、今年も新宿アルタのほど近くにある、

中村屋サロン美術館では “中村屋サロン アーティストリレー” が開催してますね (そうですね!)。
出展作家自身が次の作家を指名し、リレー形式で展覧会を繋いでいく。

『テレフォンショッキング』 スタイルの展覧会シリーズです (そうですね!)。

と、『テレフォンショッキング』 ごっこは、これくらいにしまして。

 

中村屋サロン アーティストリレーの最新作として、

現在開催されているのが、“富田菜摘展 「シャングリラ」”

 

 

 

普通ならゴミとして捨てられてしまうような材料を、

まるでパッチワークのごとく繋ぎ合わせて、ユーモラスな動物たちを生み出す、

女性アーティスト・富田菜摘さんによる展覧会です。

 

 

 

会場に入ると、まず出迎えてくれたのが、

今展のために制作された新作、馬の 《春馬》 です。

そのパーツには、寸胴鍋や泡立て器、カトラリー、カレー容器など、

中村屋系列のレストランから提供された廃材が使用されているのだそう。

ちなみに、数ある動物からモチーフに選ばれたのは、

中村屋のエンブレムに、馬が二頭描かれているからとのこと。

 

 

 

今まで意識したことがなかったですが、

確かに、そのエンブレムには馬が二頭いますね。

なんでもこれは、創業者が相馬夫妻であるのに由来するのだとか。

一つ勉強になりました。

 

 

さて、展覧会には 《春馬》 以外にも、新作の動物たちがいっぱい。

 

 

 

第2展示室のガラスケース内には、

なぜかフラミンゴもいっぱいいました。

 

 

 

富田さんと知り合って、

かれこれ10年近くになりますが。

今展で、「おやっ?」 と思ったのが・・・・・

 

 

 

作品を構成するパーツに、鹿の角など、

生物由来の素材も使われるようになっていたこと。

今までにない変化に、ちょっとビックリ。

いや、決して、鹿を作るのに、

鹿の角を使っちゃダメ、ということでありません。

むしろ、廃材と鹿の角の組み合わせが、逆に新鮮に感じられました。

星

 

 

そうそう、生物由来の素材といえば。

 

 

 

こちらのカメレオンの目の部分には・・・・・

 

 

 

ウニの殻が使われていました。

なお、このウニの殻は、富田さんを指名した、

前回出展作家、折り紙作家である布施知子さんからの頂き物とのこと。

アーティストリレーのバトンだけでなく、

布施さんからウニの殻も受け取っていたのですね。

 

 

ちなみに。

富田さんからのバトンを受け取り、

来年のアーティストリレーに参加されるのは、彫刻家の三宅一樹さん。

その三宅さんから以前貰ったという、

壊れたギターを使ったという作品も発表されていました。

カンガルーの親子 《律子と陸》 です。

 

 

 

サウンドホールを、袋の穴に、

ネックがしっぽに見立てられています。

 

 

 

この素材を使うならば、これ以外の正解は無い。

富田さんの作品には、そんな不思議な説得力があります。

 

 

最後に、個人的に一番気になった作品をご紹介。

それは、こちらの 《迅》 です。

 

 

 

気になったのは、その足元。

 

 

 

おそらく、傘立て用の鍵かと。

富田さんのことだから、間違いなく問題ないのでしょうが。

もし、この作品に使われていることで、

今、傘が取り出せない人がいるのかもしれない。

と、一瞬だけ心配になってしまいました。





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