もしも、芸術家が漫才をしたら・・・
こんな感じのネタを披露するのかもしれません。
今回はこのシリーズ初となるピン芸人 (?)。
それでは、皆様、どうぞ芸術ピンネタをお楽しみください!
いっそん 「島暮らし画家いっそん [1] です。よろしくお願いします。
僕には好きなものがたくさんあります。
それを今日は歌にしてきたので聴いてください。
『僕の好きなもの』
♪奄美大島に生えてるアダン [2] 好き~
♪一羽佇む アカショウビン [3] 好き~
♪美術は自由であるはずなのに
いろんなルールで雁字搦めになってる画壇 [4] 好き
(ギター演奏)
♪自分で 「完売作家」 っていう作家 好き~
♪よくわかってないのにSDGsにすぐ乗っかる作家 好き~
♪よくわかってないのにNFTアートにすぐ乗っかる作家 好き~~
(ギター演奏)
♪「日本のピカソ」[5] って紹介される画家 好き~
♪個展の感想リツイートしまくってる作家 好き~
♪前半に集中しすぎて
途中からキャプションの説明が頭に入ってこない鑑賞者 好き~
♪ロッカーを使おうと思ったら100円玉無くて諦める人 好き~
♪ロッカーが小さすぎて
カバンとコートを無理矢理詰め込んでいる人 好き Oh~
♪帰るときに傘のカギを無くして焦ってる人 好き
♪休館日を月曜日と思い込んで
火曜日に六本木の美術館に行ってしまった人 好き~~
(ギター演奏)
♪SNSのアイコン 直島にある草間彌生のかぼちゃにしている人 好き Oh~
♪ちょっと場所を離れたタイミングで
おばちゃんに椅子に座られ 立ち尽くしている監視員さん 好き~
♪お土産物屋と大差がない地方の観光地の美術館 [6] 好き Oh~
♪毎日ブログを書いているのに
コメントがほとんど寄せられないアートテラー・とに~ 好き
今日のお客さんと川端龍子 [7]、大好きです。
どうもありがとうございました。」
[1]田中一村 (1908~1977)
栃木県生まれの日本画家。 若くして南画の才能を発揮し、「神童」 と呼ばれる。
東京美術学校 (現・東京芸術劇場) 日本画科に入学するも、約2ヶ月で退学。
その同期には東山魁夷がいる。
[2]タコノキ科タコノキ属の常緑小高木。パイナップルに似た実をつける。
奄美大島以南に生息。一村の絵のモチーフとしても知られる。
[3]ブッポウソウ目カワセミ科の鳥。くちばしを含み、全体的に赤い。
アダンと同じく、一村がよくモチーフにした。自身を投影しているとも。
[4]院展や日展といった公募展に何度も出品するも、ことごとく落選。
50歳の頃にとうとう画壇に嫌気がさし、単身奄美大島に渡った。
[5]一村自身は 「日本のゴーギャン」 と呼ばれている。
[6]奄美大島にある田中一村記念美術館は決してそんなことはない。
[7]39歳の頃に川端龍子が主催する青龍社展に、《秋晴》 《波》 の2点を出品する。
そのうち 《波》 は入選するも、《秋晴》 は落選。その結果に納得できず、《波》 の入選も辞退。これを機に川端龍子と絶縁した。