明治末期の北海道・樺太を舞台に、
「不死身の杉元」こと退役軍人の杉元佐一と、
アイヌの少女・アシリパが金塊争奪戦に巻き込まれるサバイバル漫画。
野田サトルさんによる『ゴールデンカムイ』。
その人気は絶大で、単行本29巻で累計発行部数1900万部を突破!
2019年に大英博物館で開催された“マンガ展”のメインビジュアルにも採用されたほどです。
そんな『ゴールデンカムイ』が、
先日4月28日、約8年に及ぶ連載に幕を下ろしました。
それを記念して、同日4月28日より、
Gallery AaMoで開幕したのが、“ゴールデンカムイ展”です。
あまりのタイミングの良さに、連載終了を狙って、
スケジュールを組んだとばかり思っていたのですが。
主催者さん曰く、連載終了は知らなかったとのこと。
最終回が掲載される日と、展覧会の初日が重なったのも、たまたまとのこと。
なんとまぁ、すごい偶然があったものですね。
さて、肝心の展覧会の内容に関しまして。
一般的な漫画の展覧会同様に、
漫画の原画ももちろん展示されていますが。
それだけでなく、野田サトルさんが、
制作の資料として所蔵している私物も併せて展示されています。
なお、Gallery AaMoの後は、京都文化博物館、
福岡アジア博物館を巡回する展覧会だけあって、
日本各地の博物館の所蔵品も出展されていました。
それらの中には、ヒグマの剥製も。
よく出来た作り物かと思いきや、
国立科学博物館が所蔵する剥製とのこと。
よくぞ貸してもらえたものです。
杉元佐一×アシリパ×ヒグマの剥製。
この3ショットが観られただけでも、
展覧会を訪れた甲斐があった気がします。
また、アイヌ文化を詳しく紹介すべく、
パネルや再現資料も多数用意されていました。
単に漫画の原画を楽しむ展覧会ではなく、
漫画を通じて、アイヌ文化をきちんと知ることもできる。
一粒で二度美味しい展覧会でした。
ちなみに。
一応、漫画もアニメも抑えている身としては、
個人的に『24人の刺青囚人』のコーナーが刺さりました。
こちらでは、網走監獄内をイメージした展示空間で、
金塊の在り処を示す暗号の刺青が彫られた囚人たちを紹介。
キャラクターの紹介パネルや原画とともに、
元ネタとなった人物にまつわる新聞記事も紹介されていました。
どの人物もキャラが濃ゆいので、
すっかり漫画オリジナルだと思い込んでいましたが、
元ネタとなった人物が実在していたのですね。
“不敗の牛山”にして“ち〇ぽ先生”こと、
柔術家の牛山辰馬にも、実は元ネタとなる人物が存在していたのだそう。
その人物とは、柔術家の牛島辰熊。
「牛山辰馬」よりも「牛島辰熊」のほうが、
漫画やアニメのキャラクターっぽい名前ですね。
親のネーミングセンスがすさまじいです。