イタリアを代表する現代具象彫刻家、
ジュリアーノ・ヴァンジの世界で唯一となる個人美術館。
それが、ヴァンジ彫刻庭園美術館です。
富士山に連なる愛鷹山麓の中腹にあるクレマチスの丘に、
2002年の4月に開館し、今年でめでたく20周年を迎えました。
それを記念して、現在開催されているのが、
”開館20周年記念展 「Flower of Life 生命の花」”という展覧会です。
展覧会には、20周年を祝うべく。
写真家の松江泰治さんや、
書家の華雪さん、
主に映像を素材に作品を制作する現代美術家・志村信裕さんら、
これまでにヴァンジ彫刻庭園美術館の展覧会に出展した、
あるいは、イベントで関わったアーティストたちが参加しています。
その数、実に39人!
それだけの数のアーティストが参加するだなんて、
いかにヴァンジ彫刻庭園美術館が愛されているかがわかります。
39人のアーティストが一堂に集結した会場は、
まるで、『笑っていいとも!』のグランドフィナーレのようでした。
・・・・・・とはいえ、もちろんこれが最終回、
最後の展覧会というわけではないので、どうぞご安心を。
25周年、30周年と続くことに期待を込めて、3ツ星。
ちなみに。
ちょっと気になったのが、39人という人数。
それなら、あと1人増やして、
40人にしたほうがキリがいいような気がします。
その旨、率直に美術館の人に伝えたところ、
「39人。つまり、サンキューなんです」 とのこと。
なるほど。その発想はありませんでした。
なお、出展作品には、過去にヴァンジ彫刻庭園美術館で、
もしくは、姉妹館のベルナール・ビュフェ美術館で発表されたものもありますが。
本展のために制作された新作もあります。
静岡県出身で、昨年、ヴァンジ彫刻庭園美術館で、
大規模な個展が開催された造本作家でデザイナーの駒形克己さんは、
今回の20周年展のために、クレマチスの丘を題材にした絵本を制作。
こちらは作品でもあると同時に、
ミュージアムショップでも販売されています。
広げることで自立し、オブジェにもなる。
家に飾りたくなる絵本です。
絵本と言えば、絵本作家のスズキコージさんによる新作も。
こちらは、顔はめパネルとのこと。
具体的に何の姿になれるのかは、イマイチわかりませんでしたが、
一般的な顔はめパネルとは、テイストの違う写真が撮れることは確実です。
なお、穴の数が15個あるため、最大15人で撮影することが可能。
石田さんチやビッグダディ一家も家族全員で撮影することが可能です。
なお、出展作は館内だけでなく、
クレマチスが咲き誇る美術館ご自慢の庭園にも。
庭の一角に、ヴェネツィアと京都を拠点に活動する、
ガラス作家・三嶋りつ惠さんによるガラス作品があります。
まるで、芝生からニョキニョキと生えてきたような。
不思議な生命館に溢れていました。
まさに、Flower of Life。生命の花です。
ちなみに。
今展に限って、この美術館の主役、
ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻作品のうち4点は、
目だけでなく、手を使って鑑賞することが可能となっています。
一度目にしたら忘れられないインパクト抜群の《チューブの中の女》も触れてOK。
なんでもこの作品は、街中で目にしたゴミに着想を得たものなのだそう。
その丸まった姿が女性の背中に見えたのが、制作のきっかけになったそうです。
ゴミを見て、女性を連想するって・・・。
現代だったら、コンプライアンスに引っかかってしまうような。
なお、この《チューブの中の女》は、
ヴァンジさんの作品集の表紙も飾っています。
写真で観ると、まるで映画女優のよう。
実物よりも写真映えするタイプです。