~前回までのあらすじ~
日本全国に散らばる国宝1085件を全て観る。
ただ、ひたすらに、その目標を達成するために、日々奔走する国宝ハンター。
開始から約1年でハンティングした国宝は、250件強と、そのゴールは、まだまだ果てしなく遠い。
そこで、国宝ハンターは、少しでもゴールに近づくべく、
「国宝を毎日見続ける一週間生活」 という試練を、自分に課した。
その結果・・・彼は、燃え尽きた灰のようになってしまった。
立て、立つんだとに~!!
1年に1度しか公開されない国宝を観に、千葉に足を運んだのに、
まさかまさかの国宝の公開中止という事実を突き付けられることに。
その精神的ダメージは、本人が自覚していない以上に大きく、
「もう国宝なんて、観たくない・・・」
と、国宝ブルーな状態になってしまいました。
しかし、そんな僕にお構いなく、
国宝は、そのスケジュール通りに公開され続けているのです。
這ってでも、行かねば (>_<)
まずは、とある雨の日に、 “時代の美 第1部 奈良・平安編” の後期が始まった五島美術館へ。
前期では、見事、 《史記〈孝景本記第十一/〉》 をゲットしたわけですが。
後期では、2件の国宝をゲット。
一つは、 《紙本著色源氏物語絵巻〈絵四面/詞九面〉》 (ジャンル:絵画)
徳川美術館が所蔵する国宝の 《源氏物語絵巻》 は、ハンティング済ですが (第五話参照)
ようやく、今回の機会で、五島美術館が所蔵する方をハンティング。
もとは同じ 《源氏物語絵巻》 なのに、所蔵先が違うと、別の扱いになってしまう。
国宝七不思議の一つです (←?)
そして、もう一つハンティングしたのが、 《白描絵料紙理趣経》 (ジャンル:絵画)
お経なのに、国宝のジャンルとしては、絵画。
・・・・・なぜ?
一見すると、単なるお経にしか見えませんが。
よ~く見ると、その下地に、何か絵が描かれているのがわかります。
それも、描きかけ感が満載の。
実は、こちらは、もともとは物語絵巻になる予定だったものなのだそうですが、
作者である後白河法皇が崩御してしまったため、中途半端な状態で、制作はストップ。
そこで、その中途半端な物語絵巻の無念さ (?) を静めるために、
平頼盛の子・静遍や信西の孫・成賢らによって、その上にお経が書かれたのだそうです。
ちなみに、もとの下絵に描かれている人物が、
目鼻を描かれていない状態であることから、 『目無経』 というあだ名が付いています。
五島美術館を訪れた日から数日、
先週の11月10日には、称名寺近くの金沢文庫に行ってまいりました。
こちらでは、 “鎌倉興隆―金沢文庫とその時代―” という展覧会が開催されています。
会期の前半と後半で、作品が入れ替わってしまい、展示されている国宝も替わってしまうのですが。
11月10日と11日の2日間だけは、すべての国宝が観られるスペシャルDAY!
万難を排してでも、この日に行くしかないのです。
さて、その結果として、3件の国宝をハンティング。
称名寺が所蔵する 《文選集注》 (ジャンル:書跡・典籍) に、
7年ぶりに公開されているという 《絹本著色一遍上人絵伝〈法眼円伊筆/〉 》 (ジャンル:絵画) 、
(注:画像は一部です)
そして、 《絹本著色北条実時像》 (ジャンル:絵画) です。
ちなみに、この 《絹本著色北条実時像》 は、単体で国宝というわけではなく。
その息子を描いた 《絹本著色北条顕時像》 と、
その息子の北条顕時の息子を描いた 《絹本著色金沢貞顕像》 と、
その息子の北条顕時の息子の金沢貞顕の息子を描いた 《絹本著色金沢貞将像》 の4点セットの国宝絵画。
僕が訪れた日は、特別に4人がそろい踏み。
北条一族が並ぶさまは、何だか圧巻でした。
今現在の国宝ハンティング数 280/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中
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第四十二話 国宝ハンター、徹する!
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