日本初の公立近代美術館として、
1951年に開館した神奈川県立近代美術館。
のちに別館である葉山館が誕生してからは、鎌倉館、
通称カマキンと呼ばれたこの美術館は、開館から65年後、
2016年1月に、まさに定年退職するように、惜しまれつつ閉館しました。
とはいえ、美術館機能自体は、葉山館や鎌倉別館に引き継がれ、
神奈川県立近代美術館そのものは、現在もなお活動を続けています。
ところで、何より気になるのが、カマキンの建物のその後。
ル・コルビュジエの弟子・坂倉準三が設計を手掛け、
日本のモダニズム建築の代表作の一つと称されていました。
まさか原美術館の建物のように、
建て壊されてしまったのかと思いきや・・・・・
2022年の今もなお、美しくスタイリッシュな建物は健在!
鶴岡八幡宮の平家池のほとりで、存在感を放っています。
実は、2016年の閉館後、こちらの建物は、
敷地を所有する鶴岡八幡宮に無償譲渡されたのだそう。
そして、約2年に及ぶ耐震・改修工事を経て、
2019年より、鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとしてリスタートを切ったのでした。
さてさて、そんな鶴岡ミュージアムですが。
ややこしいことに、今年3月1日より、来年1月9日まで、
鎌倉殿の13人 大河ドラマ館と名前を変えて活動をしています。
その名の通り、現在、絶賛放映中の大河ドラマ、
『鎌倉殿の13人』の世界を楽しむことができるミュージアム。
実際にドラマ内で使われた衣装や小道具を展示していたり、
ドラマで実際に使われた背景映像を巨大スクリーンで投影していたり。
鎌倉幕府の一角をリアルに再現したフォトスポットがあったり。
シアターでオリジナル映像を上映していたり、
主演の小栗旬さんをはじめ、豪華キャストのサイン色紙があったり、
ここでしか買えないオリジナルグッズがあったり。
毎週録画して2回は見返すほどの、
『鎌倉殿の13人』の大ファンの僕的にも、
それなりに充実した内容ではあったのですが・・・・・。
率直な正直な感想としては、
“何もこの建物で展覧会を開催しなくても、、、”でした。
建物の魅力と、展覧会のテイストがミスマッチもミスマッチ。
デジタルサイネージや4Kスクリーン、
インタラクティブな映像体験を使用するなら、
何もこんな昭和のレトロ建築を会場にしなくとも。。。
渋谷ヒカリエとかでやればいいのに。
非情なストーリー展開や鬱展開もまた、
ファンを惹きつける理由の一つの『鎌倉殿の13人』。
カマキンがこんな使われ方をするのも、『鎌倉殿の13人』らしいのかもしれません。
諸行無常。
ちなみに。
入場料は1000円ではありますが、
入館時に渡されたパンフレットを提示すれば、
鎌倉国宝館と鎌倉歴史文化交流館の常設展が1回ずつ無料で観られるそう。
そこはお得です。