美大受験と、その後の藝大生活をテーマにした、
山口つばさ氏による大人気漫画『ブルーピリオド』。
その初の展覧会“ブルーピリオド展 ~アートって才能か?~”が、
9月27日まで、天王洲にある寺田倉庫G1ビルで開催されています。
よくある漫画の原画展かと思いきや、
まったくそんなことはありませんでした。
美術を題材にした漫画だけに、
劇中では当然、美術作品が登場します。
例えば、主人公である矢口八虎が描いた絵画や、
彼に大きな影響を与えることとなった森先輩による絵画など。
そういった漫画に登場する作品が実寸大で、
しかも、データを出力したものでなく油彩画として再現されていました。
さらに、自画像という課題に、
主人公らが挑んだ藝大1次試験も完全再現。
床にはちゃんと割れた鏡もありました。
原作を読んでいる人であれば、
思わずニヤリとさせられる演出です。
原作ファンなら見逃せない展示は他にも。
八虎が見た早朝の渋谷の光景を体験でき巨大なシアターや、
合格発表時の八虎のドキドキ感を追体験できるコーナーなどが用意されています。
(受験票は入館の際にもらえました)
また、絵に真剣に打ち込む八虎たちの姿を観ていたら、
何だか無性に、自分も絵を描いてみたくなってしまった。
そんな方にオススメなのが、こちらのコーナー。
ヤヴィデ(八虎×ダヴィデ像)や、
微笑みの森先輩(森先輩×微笑みの天使胸像)といった・・・
オリジナル石膏像(正しくはFRP製)を、
実際にデッサンすることができるコーナーです。
(平日のみ。最大6名まで)
なお、描き上げたデッサンは持ち帰ることも可能とのこと。
ここで体験したのをきっかけに、美術に目覚め、
藝大を目指そうとする方もいなくはないかもしれないですね。
ちなみに。
展覧会には、こんなコーナーも。
題して、「あの人のブルーピリオド」。
現在活躍中の6人の作家が、
予備校時代に描いた作品を展示するコーナーです。
例えば、こちらは冨安由真さんの作品。
ポルターガイスト現象をモチーフに、
人の気配が感じられるインスタレーション作品でお馴染みの冨安さん。
予備校時代は、今の作風とはガラッと違って、こういった絵画を描いていたのですね。
また、こちらは会田誠さんの作品。
高3の時に、お茶の水美術学院の夏期講習で描いたものだそうです。
高3でこれほどの腕前なのは、さすが。
そして、高3でこれほど刺激的な作品を描いていたのも、さすが。
いろんな意味で、今の片鱗を感じる作品でした。
なお、このコーナーの他に、
現在活躍中の作家が八虎たちと同じ題材で制作した作品や、
TikTok主催の次世代アートオーディションで入選した作品を紹介するコーナーも。
『ブルーピリオド』を読んでいる方が楽しめるのはもちろんのこと、
『ブルーピリオド』をまだ読んでいない人もそれなりに楽しめる展覧会です。
ちなみに、原作ファンの皆さま、ご安心を。
一般的な漫画の展覧会と同じく、
漫画の原画もちゃんと展示されています。
これらが展示されていたのは、
作者の山口つばさ氏をフィーチャーしたコーナーです。
そのコーナーの一角では、
山口つばささん本人のインタビュー映像も。
どうやら顔出しNGなようで、カエルのお面を被っていました。
・・・・・・・・・・不気味っす。
見た目が、快楽系の殺人鬼のようで、
インタビューの内容が全然入ってきませんでした(笑)