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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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MOMATコレクション

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現在、“ゲルハルト・リヒター展”が、

絶賛開催中の東京国立近代美術館ですが。

本館所蔵品ギャラリーでは、いつも通り、

“MOMATコレクション”が開催されています。

しかも、いつも以上に、名品が数多く出展されています。

ただ、いつもながら、近美を訪れた方の大半が、

MOMATコレクションを観ることなく、近美をあとにしているようです。

なんと、もったいないことでしょう!

 

まず、現在何と言っても見逃せないのが、

“ゲルハルト・リヒター展”と連動して展示されている、

近美が所有、あるいは寄託されているリヒター作品の数々です。

 

 

 

国立の美術館の所蔵品、ということは、

ある意味で、僕ら日本国民の所蔵品ということ(←?)。

まさか、ゲルハルト・リヒターが僕らのものだったなんて(←??)。

なんとも誇らしい気持ちになりました。

 

また、ゲルハルト・リヒター作品以外にも、

ここ最近、近美に新収蔵された作品も紹介されていました。

例えば、速水御舟の《渓泉二図》

 

 

 

那須塩原の渓流をモチーフに描いた作品とのことですが、

どことなく未来派のタッチを彷彿とさせる近未来的な作品でした。

 

また例えば、会田誠さんの《美しい旗(戦争画RETURNS)》

 

 

 

会田誠さんの代表的シリーズの1点で、

太平洋戦争がそのモチーフとなっています。

左隻に描かれているのは日本の国旗を持った少女、

右隻に描かれているのは韓国の国旗を持った少女です。

日韓の緊張状態を表現しているというこの作品が制作されたのは、1995年のこと。

それから四半世紀以上が経ちましたが、

いまだにこの緊張状態は緩和していませんね。。。

ユーモア溢れる作品が多い会田誠さん。

この作品も早く、そんな時代もあったねと、

いつか笑って話せる時代が来ることを願っています。

 

 

また、現代作家で言えば、

こちらの作品もコレクションに加わっていました。

福田美蘭さんの《Copyright》です。

 

 

 

この世で一番厳しいもの。

それは、おそらくディ●ニーの著作権でしょう。

福田美蘭さんの《Copyright》は、それを逆手に取った作品シリーズ。

ディ●ニーのキャラクターとは、ギリギリ判別できない絶妙な姿で描いたものです。

もちろん法律上は、白に限りなく近いグレー。

ディ●ニーが訴えたくても、訴えられないレベルです。

 

 

そうそう、新収蔵品といえば、

「建物を思う部屋」というデッドスペースのような謎の空間に、

2020年からソル・ルウィットのドローイング作品が描き加えられています。

 

 

 

タイトルは・・・・・・

 

 

 

《ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅36インチ(90cm)のグリッド。

角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。》

『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』を余裕で超える激長タイトルです。

 

 

なお、他にも新収蔵品は多々ありますが、

中でも最も見逃せないのが、ピエール・ボナールの《プロヴァンス風景》でしょう。

 

 

 

 

一昨年購入されたばかりの、

収蔵ホヤホヤのボナールの一作。

その購入金額は、なんと 約7.8億円です。

パッと見、風景画のようですが、よくよく見てみると、

結局のところ、何が描かれているのかイマイチわからない作品です。

森?山?鉄道のある風景??

昼なのか夜なのか。

春なのか秋なのかもわかりません。

 

こんなよくわからない絵を描くボナールに対し、

20世紀を代表する芸術家マティスはこんな言葉を残しています。

 

「ボナールが今日でも、そして確実に未来まで偉大な画家であることを私が証明する」

 

なお、同じく20世紀を代表する芸術家ピカソは、

ボナールに対して、こんな言葉を残していたようです。

 

「あれは絵画じゃない、かれがやっていることは」

「不決断の寄せ集め」「彼は自然に従属している。自然を超越しない」

 

そんなにボナールが嫌いになったのか、パブロ・ピカソ。

 

 

ちなみに。

今回のMOMATコレクションは、

パウル・クレーや高松次郎、川端龍子など、

 

 

 

近代を代表する国内外の芸術家たちの名品や、

意外な隠し玉作品が惜しげもなく展示されています。

リヒター展もいいけど、MOMATコレクションもね。

星星

 

 

最後に。

ブラジル出身のカリスマ写真家、

セバスチャン・サルガドの小特集で見つけた・・・・・

 

 

 

『写真で一言』のお題になりそうなインパクトある1枚をご紹介いたしましょう。

 

 

 

 


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