昨日ご紹介した福田美術館から、
徒歩数分の距離にある嵯峨嵐山文華館。
こちらで現在開催されているのが、
“どうぶつ美術館”という展覧会です。
タイトルから、なんとなくイメージできたでしょうが。
こちらは、動物をモチーフにした作品の数々を紹介する展覧会。
夏休みにピッタリの、大人から子供まで楽しめる展覧会です。
展示されている中には、円山応挙による犬の絵や、
近くにいるのと遠くにいる牛を描いた竹内栖鳳の屏風絵、
近年、日本美術ファンの間で人気が急上昇中の木島櫻谷によるタヌキの絵(写真左)も。
ちなみに、その隣に飾られていたのは、
江戸時代の奇才絵師・林十江による熊の絵。
熊というよりも、チビミミナガバンディクートのようです。
それから、意外なところでは、
速水御舟による洋犬の絵も紹介されていました。
『ルパン三世』の次元大介ばりに、
目元が完全に隠れてしまっています。
トリミングしてあげればいいのに。
動物の絵と言えば、近年再注目されているのが、
パリ万国博覧会で日本人画家としてただ一人金牌に輝いた大橋翠石。
虎の絵を得意とし、虎の名手の異名を持つ画家です。
本展では、そんな翠石による虎の絵も展示されていました。
・・・・・・ただし、赤ちゃん虎。
富士サファリパークあたりで、抱っこして、
写真撮らせてくれそうな感じの赤ちゃん虎です。
また、虎ではなく、
翠石による猫の絵も紹介されていました。
虎のような野生の姿が垣間見える猫です。
今にも蝶々に飛び掛かりそう。
日本美術界屈指のワイルドキャットです。
そうそう、猫と言えば、
菱田春草による猫の絵も紹介されていました。
なんでも、菱田春草は猫が嫌いだったそう。
「人に媚びるため嫌なものだ」と、日ごろから口にしていたそうです。
(むしろ、猫は媚びない生き物だと思いますが・・・)
そういう猫嫌いの部分が、思いっきり出てしまったのでしょう。
可愛げがまったくない仕上がりになっていました。
ブサかわいい、でもなく、
ただ単純にかわいくない猫。
むしろ、こいつは誰にも媚びることはなさそうです。
なお、今展に登場するさまざまな動物の中で、
個人的に一番カワイイと思ったのが、呉春の《草屋洗馬図》の馬。
鼻歌が聞こえてきそうなくらいに、
気持ちよさそうな表情を浮かべています。
身体を洗ってくれている男性との仲の良さも伺えますね。
ちなみに。
夏休みの展覧会ということもあるのでしょう。
キャプションの解説は、とてもわかりやすいものとなっていました。
ただ、丁寧に説明しようとしすぎた結果(?)、
冨田渓仙の《急流渉蟹図》のキャプションでは・・・・・
作品そのものよりも、沢蟹の説明がメインとなっていました。
スーパーで販売されている情報は、
さすがに必要ないような気もします(笑)