現在、JTが運営するたばこと塩の博物館では、
“たくみのたくらみ ~きせる・たばこ盆・たばこ入れにみる職人の手技~” という美術展が開催中。
キセルに、
たばこ盆に、
たばこ入れに。
たばこと塩の博物館のコレクションの中から、
江戸時代のものを中心とした、とっておきの喫煙具ばかりを紹介する美術展です。
それぞれの喫煙具に施されたたくみ (=職人) たちの手業に、思わず目を見開いてしまうこと請け合い。
喫煙者、非喫煙者に関わらず、純粋に、工芸として楽しめる作品ばかりです。
作品そのものを、ボケーッと眺めるだけでも、楽しいですが。
きせるの美男子・うずらの介という謎のキャラによる解説を読めば、さらに理解が深まります。
また、より理解を深めたい方は、
入館時に配られる美術展のパンフレット (カラー16Pの力作!) を片手に、観賞するのもよいでしょう♪
ともあれ、
「タバコのことは嫌いでも江戸の喫煙具は嫌いにならないでください」
というような (?) たばこと塩の博物館の熱い思いが伝わってくる美術展でした。
しかも、これで入館料が100円なんて、驚愕の限りです!!
さてさて、バリエーションが、あまりに豊富なため、印象に残った喫煙具も、いろいろ。
そのごく一部を、ご紹介して参りましょう。
まずは、たばこ盆あれこれ。
屏風型のたばこ盆に、
梅の形をしたたばこ盆に、
夕顔の実をそのまま使ったたばこ盆
・・・などなど、様々な意匠のたばこ盆がありましたが。
一際異彩を放っていたたばこ盆が、こちら↓
一見すると、ただ単に豪華な装飾が施されたたばこ盆ですが。。。
実は、こちらのたばこ盆のデザインソースになっているのは、
藁で覆った肥桶 (笑) !!
さらに、両端に配された肥桶の担い棒を、提げ手に見立てるという芸の細かさ!
贅沢な蒔絵で、肥桶を表現するなんて。
いつの時代の匠にも、 「まぁ、なんということでしょう!」 と驚かされますね。
続いて、たばこ入れあれこれ。
煙管入れの部分に象牙を使ったものや、
刻みタバコや火打ち入れを入れる袋の部分の金具が思いっきり凝ってあるものや、
革製と見せかけて、実は和紙製のものなど、
たばこ入れも、たばこ盆くらいにバリエーションが豊かでしたが。
よりぶっ飛んでいるものが多かったのは、たばこ入れの方だった気がします。
例えば、こちら↓
なんと、亀をまるまる一匹使用した (←?!) たばこ入れです。
ワイルドだぜぇ。
でも、もっとワイルドなたばこ入れが、こちら↓
使われているのは、ホンモノの熊の足だそうです。
どんな人が持ち歩いているのか、気になるだろぉ~?
さてさて、こちらも衝撃的なたばこ入れ。
一体、何が材料に使われているのか、おわかりになりますか??
正解は、蓑虫の蓑。
虫嫌いの方、大変、失礼いたしましたm(__)m
もちろん。
展示されているのは、気持ちの悪い (?) たばこ入ればかりでは、ありません。
むしろ大半がオシャレなたばこ入ればかりです。
↑こちらのたばこ入れなんか、
サマンサタバサで売られていても、おかしくなさそうです。
最後にご紹介したいのは、こんな珍しい喫煙具↓
実は、こちらは、江戸時代の後期に、
加賀を代表する発明家・大野弁吉が発明したとされる 《からくりライター》 です。
側面のボタンを押すと、火打石が付いた下側の鉄が、
上側の鉄部分に打ち付けられて、火花が出るという仕組みになっているのだとか。
江戸時代に、ライターがあっただなんて、
その発明スピリットに、目から火花が飛び散るほど、感心致しました。
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