現在、六本木ヒルズ内の東京シティビューでは、
“誕生50周年記念 ベルサイユのばら展”が開催されています。
革命期のフランスを舞台にした不朽の名作漫画『ベルサイユのばら』。
その誕生50周年を記念して開催される大規模展覧会です。
“少女漫画の金字塔”として漫画史、
いや、日本の文化史に名を刻む『ベルサイユのばら』ですが。
実は、1972年に連載がスタートした当初、
編集部はこの連載に乗り気ではなかったそう。
むしろ、大反対していたそうです。
その理由は、少女漫画の読者に、
歴史モノが理解されるはずがないから。
しかし、どうしてもこの漫画を描きたかった当時24歳の池田理代子さんは、
「絶対に当てる!もし、当たらなかったらすぐに連載を辞める」と宣言し、了承させたのだとか。
結果的には、子どもから大人までを熱狂させ、
一大ブームを巻き起こすほどの大人気連載に!
『ベルばら』そのものも漫画界に大きな革命を起こしていたのですね。
さてさて、会場に一歩足を踏み入れると、そこには・・・・・
ベルサイユ宮殿をイメージしたという回廊が作られていました。
そこに、オスカルやマリー・アントワネットといった主要キャラのパネルも設置。
52階の高さから一望できる都内の景色と、
時代を超えたコラボ(?)を果たしていました。
なお、こちらは、フォトスポットにもなっています。
平日の日中に訪れたところ、会場内は、
『ベルばら』で育ったと思われるマダムたちでいっぱい。
そんな皆様の写真をスタッフさんが、
フランス語で掛け声を掛けながら、甲斐甲斐しく撮影していました。
いつになく、サービス精神が旺盛だなァと感心していたら、
しばらく進んだ先に、その記念写真を販売しているコーナーがありました。
なるほど。そういうことだったのですね。
なお、展覧会のメインとなるのは、もちろん原画の数々です。
『ベルサイユのばら』完全版4巻より
その数、実に約180点!
原作ファンにはたまらない場面が続々登場します。
『ベルサイユのばら』完全版7巻より
効果音や効果線だけは、
若干、時代を感じてしまいましたが。
それ以外は、今見ても全然古臭くは感じませんでした。
50年前に連載が始まった頃、
当時の人々が衝撃を受けたのも大いに納得です。
原画コーナーが終ると、その次に待ち受けていたのは・・・・・
そう、『ベルばら』といえば、こちらも忘れてはいけません!
宝塚歌劇団版の『ベルばら』を紹介するコーナーです。
展覧会では、講演で実際に使われた衣装や小道具、
衣装デザイン画、台本、歴代キャストの紹介パネルなども紹介。
さらに、壁一面には過去の公演ポスターがズラリと貼られています。
特にヅカファンというわけではないので、
サッと眺めて、素通りしようかなと思ったのですが。
ひと際異彩を放つポスターが目に留まりました。
それが、こちらのポスターです↓
宝塚っぽくないような。
なんというか、アングラ演劇感が、
そこはかとなく醸し出されているような。
「もしや、このポスターを制作したのは?!」
と思ったら、案の定、横尾忠則さんでした。
横尾さんの手にかかると、宝塚もこうなってしまうのですね(笑)
また、展覧会では、漫画と舞台版だけでなく、
アニメ版の『ベルサイユのばら』に関しても紹介されていました。
意外にも、アニメ版は連載が終ってから、
5年以上経ったのちに、制作されたそうです。
監督は、アニメ『巨人の星』を手掛けた長浜忠夫と、
アニメ『あしたのジョー』の出﨑統の2人が務めたのだとか。
途中で監督が代わったため、作画やテイストが、
放映された前半と後半で、ガラッと変わっているとのこと。
当時、アニメを観ていた人は、軽く戸惑ったことでしょう。
ちなみに。
アニメと言えば、劇場版新作アニメの制作が決定したそうです。
展覧会の最後で、告知されていました。
今年50周年を迎えた『ベルばら』。
まだしばらく、散らないようです。