”岩手山を望める丘のミュージアム”こと、
岩手県立博物館に初めて足を運んできました。
確かに、館内の2階ホールからバッチリと、
岩手富士とも呼ばれる岩手山を望むことができます。
さてさて、そんな岩手県立博物館にて、
この秋開催されているのが、“水辺の生きもの”という企画展。
河川や湿原、水田、湖沼、干潟などなど、
岩手県内の水辺に生息する生き物を紹介する企画展です。
実は何を隠そう、この展覧会を企画担当したのは、
「高橋君に聞いてみないとネ」でお馴染みの鳥博士、高橋雅雄君。
その彼の学芸員として初となるデビュー展覧会です。
これまでに幾度となく、アートイベントなどで、
共演してきた10数年来の盟友だけに感動もひとしおでした。
さてさて、水辺の生きものにフォーカスした展覧会ゆえ、
水辺に生きる植物や昆虫(クモも)なんかも紹介されています。
さらには、カエルやカニなども紹介されていました。
また、展覧会の後半では、
岩手県立博物館の最新研究についても紹介。
特別に許可された人以外は立ち入り禁止となっている、
岩手県の春子谷地湿原の貴重な定点カメラの写真も紹介されていました。
その中に、なんと高橋君本人も(笑)
ツキノワグマも普通に出没する、
こんな危険と隣り合わせのエリアで、
彼は日ごろ、調査研究をしていたのですね。
ただ、やはりというか案の定というか、
鳥博士の高橋君が担当した展覧会なので、
もちろん紹介されていた大半を鳥が占めていました。
とはいえ、鳥1種1種に対しての、
特徴や生態などの解説は意外にも少なめ。
というのも、高橋君的には、
岩手県立博物館が誇る鳥の剥製、
そのものの美しさに目を向けて欲しいとのこと。
それゆえ、普段は収蔵庫に眠っている鳥の剥製を出せるだけ出したそうです。
お恥ずかしながら、今日の今日まで、
鳥の剝製を美術品という目で観たことはありませんでした。
しかし、高橋君曰く、岩手県博が所蔵している鳥の剥製の多くは、
日本トップクラスの腕を持つ剝製師によって作られた超一級の剥製とのこと。
その仕上がりは、美術品と言っても過言ではないとのことです。
確かに、そう言われてみると、
レジェンド剝製師による剝製は、
一瞬パッと動きを止めただけのような。
今にも動き出しそうな生命感がありました。
どれだけ精巧に作られたフィギュアでも、
これほどの生命感を実現するのは不可能でしょう。
こちらのミソサザイなんて、さえずりが聞こえてくるようでした。
また、剝製に関しては無知も無知なので、
そういうものなのだろう、と素通りしそうになりましたが。
こちらのヤマセミの剥製のように・・・・・
実際に生きているものと同様、
羽毛がちゃんと逆立っているのは、
丁寧に何度もブローして剝製を作成しているからなのだとか。
普通の剥製は、こまで手間をかけないようなので、
鳥の羽毛は全体的にペタンとなっているものなのだそうです。
なお、高橋君イチオシの剥製は、
こちらのサンカノゴイの剥製とのこと。
僕個人のイチオシは、こちらのタゲリという鳥の剥製です。
頭のピョコンと跳ねた毛が、
スノッブな感じで可愛らしいです。
もし、キャラクター化したら、きっと貴族キャラ。
語尾は「~であーる。」な気がします。
さてさて、展覧会のハイライトは、こちら↓
湖沼の鳥の剥製ぜんぶ出す大作戦が行われています。
ほとり(?)に立って見下ろしてみると、
本当にカモが集まってきたかのような気分が味わえました。
ちなみに。
レジェンド剝製師による最高傑作「イヌワシの山」は、
岩手県博の常設展示コーナーにあるので、どうぞお見逃しなきように。
イヌワシの営巣地を再現したダイナミックなジオラマです。
ドーム型天井となっている空の部分は、
著名な背景絵師に制作されたものとのこと。
再現ジオラマというレベルを通り越して、立派にインスタレーション作品です。
躍動感あふれるイヌワシの姿を観ていたら、
無性にリポビタンDが飲みたくなってきました。
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