岩手県岩手郡岩手町にある、
石神の丘美術館に行ってきました。
こちらは1993年に開館した、岩手県では初となる野外彫刻美術館。
約16万㎡という広大な敷地に、彫刻作品が展示されています。
設置されている作品の数は、現時点で23点。
同じ野外美術館である箱根の彫刻の森美術館や、
美ヶ原高原美術館と比べてしまうと、美術館としてはやや物足りない感は否めません。
彫刻を純粋に楽しむ美術館というよりも、
彫刻と自然とを併せて楽しむ美術館といった印象でした。
その証拠に(?)、普通の美術館では、
まず目にしない注意書きが貼られていました。
『カモシカにちゅうい』
美術を鑑賞している際に、ニホンカモシカも一緒に観られる。
そんな可能性がある美術館は、日本ではここだけはないでしょうか。
ただ、残念ながら、僕が訪れた日は、
野生のカモシカの姿を目にすることはできませんでした。
代わりに、彫刻家の眞壁廉さんによる、
“ウミウシ”ならぬ《ウミシカ》は観ることができました。
それから、三沢厚彦さんによる《カモシカ》も。
23点ある作品のうち5点が、三沢厚彦さんの作品。
しかも、5点とも、2020年に大々的に行われた、
リニューアルオープンの際に設置されたものだそう。
破竹の勢いで三沢さんの勢力が拡大しているようです。
個人的にイチオシの三沢作品は、
こちらの《Animal 2017-3B2(シロクマ)》。
正面から観るのもイイですが、
後ろ姿は輪をかけてキュートでした。
なお、このシロクマの目線の先には、
姫神山と東北新幹線の線路があります。
このなんだか画になる後ろ姿を観ていたら、
こんな妄想が頭の中に浮かんできました――。
生まれ育った東北の地を離れ、
東京に出ることになった主人公。
それを見送るために、新幹線のホームに友人たちが集まりました。
「東京で俺たちの分も頑張れよ!」
「東京行っても私たちのこと忘れないでね!」
「みんなありがとう!・・・・・あれっ、シロクマのやつは?」
「あいつにも声掛けたんだけど。
『俺は見送りになんか絶対行かねー』ってさ」
「ハハッ、シロクマらしいな。それじゃ、行ってくるわ」
閉まる新幹線のドア。そして、シーンは切り替わり・・・・・
「東京で成功するまで帰ってくんじゃねーぞーー!!」
シロクマの不器用な友情表現に、
思わずジーンと来てしまいました。
(↑これはあくまで、僕の妄想です)
ちなみに。
話は変わりますが、設置されている作品の中には、
イサム・ノグチがデザインしたジャングルジムもありました。
とりあえず登ってみたところ、
降り方がわからなくなってしまい、
しばらくてっぺんで途方に暮れていました。
その様子を友の高橋君(鳥博士)が、こっそり撮影していました。
是非、ブログに使うようにとのこと。
せっかくなので掲載しておきます。