現在、世田谷動物園・・・もとい、
世田谷美術館で開催されているのは、
“わたしたちは生きている!セタビの森の動物たち”という展覧会。
世田谷美術館が所蔵する約16000点のコレクションの中から、
古今東西、さまざまな手法で表現された動物たちの作品を紹介するものです。
展覧会は、会場に入る前からすでに始まっています。
館内の床に目を向けると、そこには大量の動物の足跡が!
これらの足跡の持ち主はすべて、
出展作品に描かれている動物です。
いや、正確には、足跡はあるものの、
出展作品の中にいない動物がいます。
それは、タヌキ。
きっと昨年に引き続き、セタビに迷い込んでしまったのでしょうね。
と、そんな足跡の先で待っていたのは・・・・・
世田谷区のとある小学校で行われたプレワークショップで、
小学校5年生の子どもたちが作り上げたさまざまな動物です。
なお、それぞれの動物の近くには、
QRコードが設置されており、それらを読む込むと・・・・・
このように、子どもたちがそれぞれ考えた、
動物たちの特徴や習性も表示される仕組みとなっていました。
ちなみに。
個人的にイチオシは、こちらの動物です。
名前は、あいどるももんがとのこと。
説明には、こうありました。
みんなのアイドルめっちゃかわいい。大好き。
いろんな感情を持っていて、
この子たちは何を考えているのだろうって超考えていて、
色んな動物がいろんなことを考えていて動物が怖くなった。
ある時友達のももちゃんが天敵のエゾフクロウに捕食されてしまい、
目の前で残酷な光景を目の当たりにする。
自分でも感じたことのない心臓が潰れるような思いをした。
そこで、何がももちゃんにとって一番の供養になるか考えた。
そしてももちゃんが生前、
「将来、一緒にアイドルやろうね」と言っていたのを思い出した。
ももちゃんそして私の将来の夢・アイドルを目指すことにした。
両親は最初こそ反対したが今となっては認めてもらえている。
そして今アイドルをしていて、みんなのアイドルとして、
みんなに笑顔を分け与えるそんな可愛いモモンガになっている。
好物はアロエ。
いろんな感情を持っている。物事に悲観的。ネガティブ
まどマギのような世界観!!
可愛い見た目のその裏側に、
悲しい過去、尋常ならざる決意があったなんて。
その詳細なキャラ設定に、思わず引き込まれてしまいました。
あいどるももんがを主役にした漫画があったら、全巻買います!
さて、この段階でもある程度、
堪能してしまった感はありますが(笑)。
展覧会が始まるのは、これからです!
出展数は、約110点。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
鳥や犬といった身近な動物から、
ヒョウやアルマジロといった、
普段はなかなかお目にかかれないレアな動物、
さらには、ペガサスやケンタウロスといった、
現実世界ではまずお目にかかれない激レアな動物まで。
会場では、実にさまざまな動物に逢うことができます。
また、単に動物がモチーフになっている、
あるいは、動物が登場する作品だけでなく、
生命そのものがテーマとなっている哲学的な作品もありました。
単に楽しくて賑やかなだけでなく、
いろいろ考えさせられる展覧会です。
見どころは多々ありましたが、
個人的に特に印象に残っているのは、こちらの展示室。
柳原義達による4羽のカラスが、
広々とした空間で、ソーシャルディスタンスを取っていました。
基本的に、こちらの展示室の窓は、
作品保護のために、閉まっていますが、
今回は、あえて解放されています。
しかも、全開放!
なんでも、この展示室の窓をここまで開放したのは、
2009年から10年にかけて開催された内井昭蔵展以来とのことです。
おかげで砧公園にいる本物のカラスと、
柳原義達のカラスの彫刻とを併せて楽しむことができました。
それから、もう一つ印象的だったのは、
展覧会のラストを飾る「ねこの園」のコーナー。
こちらでは、北大路魯山人が描いた猫にはじまり、
イタリアのペリクレ・ファッツィーニによる猫のブロンズや、
「猫の版画家」稲垣知雄の作品群といった、さまざまな猫に逢えます。
猫の日は、昨日(2/22)で終わってしまいましたが、
こちらの「ねこの園」は、4月9日まで毎日が猫の日です。
ちなみに。
展覧会を観終えた先に待っていたのは、
「みんなでつくるセタビの森」という参加型コーナー。
机の上にある素材や道具を使って、
どなたでも自由に動物を作ることができます。
そして、それを森をイメージした壁に貼り付けることもできます。
来館者がおのおの、自由に制作、
自由に貼り付けて楽しんでいるようですが。
その一角に、象の墓場的なものも自然発生していました。
会期が進むに連れ、このコーナーが、どう変化を遂げていくのか。
定期的に訪れたいものです。