Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

WHERE OCEANS MEET

$
0
0

この春、シャネル・ネクサス・ホールでは、

“WHERE OCEANS MEET”という展覧会が開催中。

弱冠37歳にしてすでに、ヴェネツィア・ビエンナーレを筆頭に、

世界の主要な芸術祭に数多く参加している新進気鋭のアーティスト、

キューバ生まれのマベル・ポブレットの待望の国内初となる展覧会です。

 

 


展覧会の冒頭でまず出逢うのが、

「My Autumn」と名付けられたシリーズのうちの1点。

作品に近づいて観てみると・・・・・

 

 

 

何やら、ピラミッド型に折られた無数の折り紙、

その1つ1つに、写真の断片がプリントされているのがわかります。

この作品を引きで観てみましょう。

すると・・・・・

 

 

 

1つのビジュアルイメージが浮かび上っています。

おそらく、ショートカットの女性でしょうか。

デビュー時の井森美幸を、どことなく彷彿とさせるものがありますよね。

あの伝説のダンスを披露していた頃の。

 

 

と、それはさておき。

展覧会の前半では、「My Autumn」シリーズが、

それも新作が、まとまった形で展示されていました。

 

 

 

それらの中には、こんなタイプの作品も。

 

 

 

作品の表面から、キラキラした何やら、

スター錦野こと錦野旦の腕に付いてるヒラヒラが垂れています。

こちらも、近づいてよくよく観てみると・・・・・

 

 

 

それぞれに、写真の断片がプリントされていました。

おそらく、海景写真の断片なのでしょう。

なお、鏡面に照明が乱反射することで、

床や壁に、まるで海面のような光景が映し出されていました。

 

 

 

そのきらめきが眩しいのなんのって。

まだまだ、季節は春ですが、一足早く夏を感じる、

さらには、サザンオールスターズやTUBEも感じる展覧会でした。

星

 

 

なお、会場では、「My Autumn」シリーズに続いて、

インスタレーション作品《ISLAS》も展示されています。

 
 
 
これまでの流れから、なんとなーく予想はついたでしょうが。
天井から吊るされた無数の何やらの、
その片面は鏡面、またその片面には写真の断片がプリントされています。
 
 
 
ただそれだけ、といえば、
本当に、ただそれだけなのですが。
 
 
 
得も言われぬ、美しさがありました。
それも、チームラボの作品よりも、没入感があったような。
デジタルアートでなく、アナログもアナログなのに。
 
なお、そんな《ISLAS》の空間を抜けると、
「Travel Diary」シリーズの作品が壁一面に展示されていました。
 
 
 
これらは、ポブレットが旅先で撮影した写真を小さく分解し、
それらを釘止めして、まったく新しいイメージに再構成したもの。
 
 
 
絵画と比べて、写真は圧倒的に真実を映し出すもの、
モチーフを正確に記録し、伝えうるものと思い込んでいましたが。
こうして、断片にされてしまうと、
その特性が著しく薄れてしまうのですね。
そんな当たり前のことに改めて気づかされました。
 
 
なお、展覧会の後半では他にも、
透明な球体の中で合成写真が怪しく光る作品や、
 
 
 
ビデオインスタレーション《SUBLIMATION》も紹介されていました。
 
 
 
なんとなく、インド映画感があったような。
なお、そんな後半に紹介されていた中で、
個人的に印象に残っているのは、こちらの作品群です。
 
 
 
薄い青から、濃い青、もはや紺色まで、
全6色の青を基調とした作品が並んでいました。
 
 ふるさとは遠きにありて思ふもの、
 ポブレット作品は近くに寄りて観るもの。
 
彼女のスタイルにさすがに慣れてきたので、
これまで同様に、作品に近づいて観てみました、
すると、どの表面にも・・・・・
 
 
 
たくさんの花がビッシリと取り付けられていました。
明治チェルシーの飴のパッケージに描かれているような花が。
 
 
 
 
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles