30年ぶりに東京エリアで誕生する国際的現代アートフェアとして、
開幕前から美術界から大きな注目を集めていたTokyo Gendai(東京現代)。
国際的に評価の高い73のギャラリーが参加し、
7月7日から9日まで3日間にわたって開催されています。
自分は一足早く、その前日に行われたプレスプレビューに参加してきました。
一体どんなアートフェアだったのか。
ちょっと気になったあれこれを紹介したいと思います。
●会場は東京じゃなかった
Tokyo Gendaiと言いつつ、
会場はみなとみらいエリアにあるパシフィコ横浜。
東京じゃないんかい!
100人中100人がツッコむこと必至です。
東京ディズニーランドとか、東京ドイツ村とか、
東京じゃないのに東京と名乗るのは、千葉県の専売特許だったのに。
●人気作家の作品が目白押しだった
千住博さんに、塩田千春さんに、奈良美智さんに。
他にも、草間彌生さん、宮島達男さん、山口晃さん、名和晃平さん…etc
と、一人一人名前を挙げていたら、キリがないほど。
で、アートフェアなので、当たり前なのですが、
これらの作品はすべて買うことができるわけです。
お金さえあれば。
ちなみに。
チェーンソーで木材を刻むという、
独創的な作品で知られる彫刻家・戸谷成雄さんの作品も出展されていました。
この作品に関しては、もしお金があって、
買ったとて、どこにどうやって設置すればよいのやら。
せめてバラ売りしてくれればいいのに(←?)。
●飲食も充実していた
毎年春に開催されるアートフェア東京は、
会場となる国際フォーラムにレストランやカフェがあるためなのか、
特に会場内に飲食できるスペースは用意されていませんが。
海外のVIPをターゲットにしたTokyo Gendaiは、
会場内にレストランやカフェが用意されていました。
価格設定は少しお高めの。
あと、海外のVIPがお好きだからでしょう。
シャンパンも用意されていました。
また、これまた海外のVIPがお好きだからでしょう。
レンジローバーも置かれていました。
●ミニ企画展が開催されていた
アートフェアというと、ギャラリーだけが参加しているイメージがありますが。
今回のTokyo Gendaiでは、アーティゾン美術館副館長の笠原美智子さんと、
東京写真美術館学芸員の山田裕理さん、2人のキュレーションによる展覧会、
“Life Actually:The Work of Contemporary Japanese Women Artists”が開催されていました。
米田知子さんやイケムラレイコといったベテランから、
『そろそろ美術の話を…』にも出演してくれた注目の若手・山元彩香さんまで。
日本が世界に誇る5人の女性作家の作品が紹介されています。
規模はミニながら、見ごたえはジャンボな企画展でした。
さてさて、Tokyo Gendaiでは他にも、
石田徹也の自室を再現したインスタレーションがあったり、
鬼頭健吾さんのフラフープを使ったインスタレーションがあったり、
と、見ごたえはいろいろありましたが、
なんだかんだで、個人的に一番印象に残っているのは、
フランスのアーティスト、インベーダーの作品群でしょうか。
モチーフとなっているのは、『アルプスの少女ハイジ』。
ピクセル風に、タイルを貼って制作したものなのかと思いきや。
作品のサイドを目にして、その正体を悟りました。
なんと、ルービックキューブで再現された作品だったのです。
他にも、ルービックキューブで再現された、
アングルの《トルコ風呂》やゴッホの《星月夜》もありました。
ルービックキューブにこんな使い道があったとは!
ありそうでなかった発想です。
来年以降も開催が予定されているというTokyo Gendai。
今年行けなかったという方も、来年以降に足を運んでみては?