現在、箱根ラリック美術館で開催されているのは、
“美しき時代と異彩のジュエリー”という展覧会です。
ちなみに、「美しき時代」と書いて、「ベル・エポック」と読みます。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
アール・デコのガラス工芸作家という印象のあるルネ・ラリックですが。
パリが最も輝いていたベル・エポックの時代、
ラリックは、ジュエリー作家として華々しく活躍していました。
今展は、そんなラリックの前半生にスポットを当て、
ラリックが生み出したジュエリーの数々を紹介するものです。
さて、イントロダクションとして紹介されていたのは、
ラリックの初期も初期の貴重なブローチ《ラン》でした。
全体的にダイヤモンドが散りばめられ、
これでもかというくらいにゴージャスなジュエリーです。
下積み時代のラリックは、一般的なジュエリー作家同様に、
このようなゴージャスな宝石をふんだんにあしらったジュエリーを制作していました。
しかし、35歳になり、それまでの下請けの仕事を辞めたラリックは、ついに覚醒します!
それまではジュエリーの素材として使われることが稀であった、
オパールやヒスイといった半貴石、獣の角や七宝をあえて多様するようになるのです。
それはすなわち、高価な素材ではなく、
デザインの力で勝負するということに他なりません。
展示されていたジュエリーはどれも、
ラリックの独創性がキラリと光っていました。
例えば、こちらはガーゴイルをモチーフにしたジュエリー。
また例えば、こちらはコウモリをモチーフにした櫛です。
ラリックのセンスももちろん独創的ですが、
これらのジュエリーを身に付ける人のファッションセンスのほうが独創的なような・・・。
なお、展覧会には、ラリックのジュエリーを身に付けた当時の人の写真もありました。
首元や胸元のジュエリーよりも、
額に装着したジュエリーが気になって仕方ありません。
ワンダーウーマンか!
ちなみに。
展覧会を観た上で改めて、
箱根ラリック美術館の看板娘というべき、《シルフィード》を観てみました。
ダイヤモンドも使われているのですが、
それ以上に七宝の緑色の美しさに目が奪われます。
このジュエリーにおいては、ダイヤモンドは七宝の引き立て役に過ぎないのですね。
さてさて、箱根ラリック美術館といえば、
ここ数年、企画展コラボスイーツが、SNSを中心に話題となっています。
今回の企画展コラボスイーツは例年以上にパワーアップしていました。
まずは、当時ジュエリーの素材としては珍しかった象牙を使った《メタモルフォーゼ》。
こちらが箱根ラリック美術館のパティシエの手にかかると・・・・・
櫛の形をしたクッキーと季節のスイーツがともに味わえるスイーツに!
また、流れるような髪の毛が特徴的な、
その名も《流れる髪の女》というチョーカーヘッド。
こちらが箱根ラリック美術館のパティシエの手にかかると・・・・・
まるで本物そっくりの見た目のスイーツに!
流れる髪の毛は、モンブランで再現されているそうです。
もったいなさすぎて、食べれる気がしません。
なお、こちらの《流れる髪の女》のスイーツのほうは、
やはり作るのが大変なようで、土日祝限定、しかも数量限定とのこと。
どうしても食べてみたいという方は、
土日祝に朝早く訪れることをオススメします!
髪なんてセットしている場合じゃないかも。