現在、国立新美術館で開催されているのは、
“テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ”という展覧会。
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
英国を代表する美術館の一つ、テートの膨大なコレクションの中から、
「光」をテーマにした作品にスポットを当て、厳選された名品を紹介する展覧会です。
出展作は、実に約120点!
それらの中には、イギリスを代表する国民的画家ターナーの作品や、
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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌朝—創世記を書くモーセ》
1843年出品 Photo: Tate
19世紀半ばのイギリスに彗星のごとく現れたラファエル前派のメンバーの作品、
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エドワード・バーン=ジョーンズ《愛と巡礼者》 1896-97年 Photo: Tate
“光の芸術家”と称される現代アーティスト、ジェームズ・タレルの体験型作品も含まれています。
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ジェームズ・タレル《レイマー、ブルー》 1969年
© 2023 James Turrell. Photograph by Florian Holzherr.
18世紀末から現代まで、その約200年間もの美術の流れを、
まるで「光」の如く、駆け抜けるように体感できる展覧会でした。
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キラリと光る作品は多々ありましたが、
その中でも特に印象的だったのが、こちらの作品。
19世紀に活躍したイギリスの画家、
ジョン・ブレットによる《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》です。
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降り注ぐ日差し。
きらめく水面。
こんなにも、海をロマンティックに、
かつ、ドラマチックに描くことがでるのは、
きっとジョン・ブレットとクリスチャン・ラッセンくらいなものでしょう。
あと、よく見ると、空と海がちょうど1:1の比率で描かれています。
杉本博司さんの「海景」シリーズに通ずる、崇高さを感じました。
また、崇高と言えば、ターナーの《湖に沈む夕日》も。
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正直なところ、写真ではあの感動はまったく伝わりません。
写真で見る分には、ただぼやぼやした画面にしか感じられないことでしょう。
しかし、実物を前にすると、ちゃんと湖や夕日が感じられるのです。
これまでターナーの絵を何点も観てきましたが、
今のところ、《湖に沈む夕日》が暫定1位の素晴らしさ。
この作品が観られるだけでも、展覧会を訪れる甲斐は十分にあります!
光を描いた絵画=風景画、だけにあらず。
光が差し込む室内を描いた絵画として、
展覧会では、ハマスホイの作品も紹介されていました。
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どちらの作品も、例によって、
若干の不穏な空気が漂っていました。
光を描きながら、どこか闇を感じさせる。
そんなハマスホイワールドを、たっぷり味わえる2作品です。
さて、ジェームズ・タレルの作品以外にも、
ゲルハルト・リヒターを筆頭に、現代アートも充実している今回のテート美術館展。
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それらの中で個人的にピカイチだった現代アート作品は、
アメリカ人アーティスト、ペー・ホワイトの《ぶら下がったかけら》でしょうか。
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天井から、実に428本の糸が吊り下げられ、
その先に、カラフルな紙のかけらが取り付けられています。
シンプルながら、見飽きない作品でした。
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ちなみに、ところどころに、
なんかパックマンみたいなのがいました。
著作権的に大丈夫なものなのでしょうか。
老婆心ながら、心配になってしまいました。
他にも、蛍光灯を使ったダン・フレイヴィンや、
色鮮やかなライトボックスを用いたデイヴィッド・バチェラーなど、
光る素材そのものを作品にするアーティストも紹介されていましたが。
その中でも、やはり技が光っていたのは
アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンでしょう。
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特に圧巻だったのが、今展のトリを飾る、
インスタレーション作品《星くずの素粒子》です。
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鉄骨製のフレームでできた多面体のなかに、
埋め込まれているのは、ガラス製の球状多面体。
それがゆっくりと回転することで、
展示空間全体にキラキラとした反射光が、
まるでミラーボールのように映し出されていました。
ちょっとだけバブリーダンスが頭をよぎる作品です。
┃会期:2023年7月12日(水)~10月2日(月)
┃会場:国立新美術館
┃https://tate2023.exhn.jp/
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